黒い貨物船と虹


コレクション

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ジャンル

絵画(油彩画等)

作者名

デュフィ、ラウル
DUFY, Raoul

制作年

1949年頃

材料

油彩・キャンバス

寸法

38.0×46.1

署名

下中央部:Raoul Dufy

寄贈者

公益財団法人岡田文化財団寄贈

来歴

原精一旧蔵

初出展覧会

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作品名欧文

Black Cargo Ship and a Rainbow
関連資料
黒い貨物船と虹
(黒い貨物船と虹)

解説

 ラウル・デュフィは、テキスタイルデザインから壁面装飾に至るまで、幅広い分野で活躍したフランスの画家。軽妙なタッチと透明感あふれる色彩でもって、洒脱な同時代社会を描き人気を博した。
 本作の舞台は、デュフィの故郷に近いサン=タドレスの港。左手には灯台の建つ突堤が延び、右手の岸辺には建物が林立する。人々が水浴する浅瀬には白い波が立ち、テントも並んでいる。画面左手の空は雲に覆われ雨が降るが、右端では雲が切れ、虹が架かる。空模様を大胆に変化させた画面には、異時同図のような効果が生まれている。
 画面中央の貨物船は、表面の黒い絵具層をひっかき、その下の白い層を露出させることで輪郭が表されている。デュフィは、最晩年に漆黒の画面に浮かぶ貨物船を繰り返し描いた。画家は、太陽に目を向けると眩しくて視界が暗転することに想を得て、強烈な光を表現するのに黒を用いたという。この黒い貨物船シリーズには、闇の色彩としてではなく光の色彩として、黒の可能性を見出そうとする画家の探求心が表れている。
(鈴村麻里子 『三重県立美術館 コレクション選』 2022年)

[作品名(フランス語)]
La cargo noir et l'arc-en-ciel

展覧会歴

展覧会『海』(安田火災東郷青児美術館 1996) no.48
(財)岡田文化財団設立20周年記念展(三重県立美術館 1999)no.1-5
珠玉の近代絵画~岡田文化財団コレクションより~(四日市市立博物館 2001)
岡田文化財団コレクション―珠玉の近代絵画展(そごう美術館・横浜 2004)
デュフィ展 (bunkamuraザ・ミュージアム あべのハルカス 愛知県美術館 2014)
開館35周年記念Ⅰ ベスト・オブ・コレクション―美術館の名品(三重県立美術館 2017)
岡田文化財団寄贈作品展(パラミタミュージアム 2019)

文献

Maurice Laffaille, Raoul Dufy Catalogue raisonne de l'oevre peint, Ed Motte, Geneve,. T.I. 1972, T.II. 1973, T.III.1976, T.IV.1977. no.744.
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