波濤図 No.1


コレクション

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ジャンル

絵画(油彩画等)

作者名

諏訪直樹
SUWA Naoki

制作年

1980(昭和55)年

材料

アクリル絵具・綿布、パネル

寸法

194.0×222.0×79.0

署名

裏: '80 No.6 N.Suwa

寄贈者

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来歴

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初出展覧会

個展『波濤図』(銀座絵画館、東京 1980.1)

作品名欧文

Waves No.1
関連資料

解説

 三重県四日市市で教会の牧師の子として生まれた諏訪直樹は、1973(昭和48)年に上京、Bゼミで柏原えつとむに師事した。当時の現代美術の動向に刺激され、絵画自体のあり方を根本的に再定義するような作画を開始。基本色のタッチで画面を埋めるシステマティックな作品でデビューした。
 これは作風の転換を示した1980(昭和55)年の個展出品作。画面は波状に屈折し、屛風のように床に立てられた。各面の比率は黄金比にもとづく。勢いのあるストロークが一見、混沌とした色の絡まりや重なりを示すが、離れて見ると大きな波のような形状が浮かび上がる。
 作風のこの変化は、1980年代の世界的な絵画活性化の傾向と並行するものであろうが、以後の作品には、屛風や掛け軸の形式、金色や銀色の使用など、伝統的な日本美術への参照があり、日本画の新たな表現としても評価された。だが、1988(昭和63)年に描き始めて長さ50mを超えた大作《無限連鎖する絵画》の制作は、カヌーの水難事故による画家の急逝のため途絶えた。
(速水豊 『三重県立美術館 コレクション選』 2022年)

展覧会歴

没後11年 諏訪直樹展(三重県立美術館 2001)no.10
琳派・RIMPA(東京国立近代美術館 2004)
起点としての80年代(金沢21世紀美術館 高松市美術館 静岡市美術館 2018-2019)
コレクションによる特別陳列 没後30年 諏訪直樹展(三重県立美術館 2020)

文献

『諏訪直樹作品集』(美術出版社 1994)p.43/no.34
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