コレクション

-

ジャンル

絵画(油彩画等)

作者名

シャガール、マルク
CHAGALL, Marc

制作年

1956-62年

材料

油彩・キャンバス

寸法

150×120

署名

右下:MARC / ChAgAll / 1956-62

寄贈者

公益財団法人岡田文化財団寄贈

来歴

-

初出展覧会

-

作品名欧文

La branche
関連資料

解説

 深い青を背景に、白いドレスを身に着けた女性が、男性を抱きかかえるようにして宙に浮かんでいる。二人の上に生い茂るのは、花咲く木の枝。多くのモチーフが青の諧調に沈むなか、画面左手にはエッフェル塔がそびえ、男女の足元にはセーヌ川が流れる。
 帝政ロシア(現・ベラルーシ)生まれのシャガールは、20代の頃パリを訪れ、以降中断を挟みつつ活動の拠点とした。本作では、他のシャガール作品と同様、故郷ロシアと結びつく家畜等のモチーフと、パリのランドマークが渾然一体となる夢幻的な世界が展開される。
 背景の青色の濃淡や色味は多様で、1950年代にシャガールが着手したステンドグラス制作の影響も指摘される。油絵具を丹念に塗り重ねながらも、透明感を失わず柔らかな煌めきを内包する表現には、絵具の扱いに長けた画家の技量が遺憾なく発揮されている。 
 画家の円熟期の良作である本作は、三重県立美術館の開館に先立つ1981(昭和56)年に岡田文化財団から寄贈を受けた。以来、当館のコレクションの顔であり続けている。
(鈴村麻里子 『三重県立美術館 コレクション選』 2022年)

展覧会歴

シャガール展(東京都国立近代美術館、京都市美術館、愛知県美術館、熊本県立美術館 1976) no.20
巨匠シャガール展(読売新聞社 1980) P9
シャガール展(読売新聞社 1984) no.22
マルク・シャガール展(小田急美術館、姫路市立美術館、三重県立美術館、山口県立美術館 1992-93) no.91
絵のなかの女たち展(群馬県立近代美術館 1995) no.81
マルク・シャガール展(鹿児島市立美術館 1997) no.46
マルク・シャガール展(埼玉県立近代美術館 2000)
シャガール展(兵庫県立近代美術館 2001)※図録発行せず
珠玉の近代絵画~岡田文化財団コレクションより~(四日市市立博物館 2001)
シャガール展(宮城県美術館 2002) no.74
マルク・シャガール展~ポンピドー・センター&シャガール家秘蔵作品展~(新潟県立近代美術館 2002)
岡田文化財団コレクション―珠玉の近代絵画展(そごう美術館・横浜 2004)
デュエット:絵のなかのふたり(ブリヂストン美術館、石橋美術館 2005)
シャガール―愛をめぐる追想―(岡山県立美術館、岐阜県美術館 2012)
生命と美の物語 LIFE―楽園をもとめて(富山県美術館 2017)
開館35周年記念Ⅰ ベスト・オブ・コレクション―美術館の名品(三重県立美術館 2017)
岡田文化財団寄贈作品展(パラミタミュージアム 2019)

文献

毛利伊知郎「館贓品から マルク・シャガール《枝》」『ひる・ういんど(三重県立美術館ニュース)』第25号 1989年
Baal-Teshuva,Jacob, Chagall,Cologne,1998,Front Cover
大野大介『週刊西洋絵画の巨匠6 シャガール』(小学館 2009)p.5
『画家名で探す 日本で見られる西洋名画』(小学館、書籍版/iphoneアプリ版、2010)
English
ページのトップへ戻る