箱
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コレクション |
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ジャンル |
絵画(油彩画等) |
作者名 |
坂本繁二郎 SAKAMOTO Hanjiro |
制作年 |
1960(昭和35)年 |
材料 |
油彩・キャンバス |
寸法 |
38.0×45.7 |
署名 |
右下: さかもと 昭和三五 |
寄贈者 |
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来歴 |
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初出展覧会 |
なにわ会展(大阪・梅田画廊 1960) |
作品名欧文 |
Boxes |
関連資料 |
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解説 |
福岡県久留米市に生まれた坂本繁二郎は20歳のときに上京、小山正太郎の不同舎、ついで太平洋画会研究所で学び、文展に出品の後、二科展の創設に参加。1921-24(大正10-13)年に渡仏し、帰国後は福岡に帰還して晩年まで八女で制作を続けた。戦後、回顧展の開催や文化勲章受章など、高い評価を確立した。 戦前においては、馬など動物を描いた現在よく知られる作品をはじめ、人物や風景も手がけたが、戦中から1960(昭和35)年頃までは集中して静物に取り組んだ。この転換は高齢や戦中の状況にもとづくとも言われるが、実現された諸作品は画家の高度な円熟、比類のない画境への到達を示す。 茶道具などの箱を対象とした作品は6点ほどが知られる。能面や植木鉢、果物などをそれぞれほぼ無地の背景に簡素に配した坂本の静物画のなかで、箱の絵は、直線と平面からなるかたちの単純さのため、より抽象性を帯びた画面となり、ものと空間を捉えつつも全体に浸潤する彼独特の繊細な色彩の効果が際立っている。 (速水豊 『三重県立美術館 コレクション選』 2022年) |
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展覧会歴 |
なにわ会展(大阪・梅田画廊 1960) 安井曾太郎・坂本繁二郎二人展(梅田近代美術館 1977) 坂本繁二郎展(東京国立近代美術館 1982) no.105 20世紀絵画の展開(名古屋市美術館 1988)no.176 静物・ことばなき物たちの祭典(静岡県立美術館 1990) no.III-30 絵画の詩と造形(奈良県立美術館 1992) no.60 日本近代絵画の一展開(愛媛県立美術館 1994) no.6 日本洋画のれきし 三重県立美術館コレクションによる(茨城県近代美術館 2000) no.92 秘蔵の名品アートコレクション展(ホテルオークラ 2002) 開館35周年記念Ⅰ ベスト・オブ・コレクション―美術館の名品(三重県立美術館 2017) 没後50年 坂本繁二郎展(久留米市美術館 練馬区立美術館 2019) |
文献 |
久我五千男編『坂本繁二郎画集』(求龍堂 1962) 『坂本繁二郎画集』(求龍堂 1964) no.176 久我五千男編『坂本繁二郎作品全集』(朝日新聞社 1970) no.106 河北倫明『坂本繁二郎』(中央公論美術出版 1974)単色no.14 『日本の名画11』(中央公論社 1976) no.42 『増補 坂本繁二郎作品全集』(朝日新聞社 1981) pl.88 尾崎正明「坂本芸術のテーマ」『視る』(東京国立近代美術館ニュース)181号 1982 『アサヒグラフ別冊 '82秋 坂本繁二郎』(朝日新聞社 1982) no.68 |