箱
|
コレクション |
- |
---|---|
ジャンル |
絵画(油彩画等) |
作者名 |
坂本繁二郎 SAKAMOTO Hanjiro |
制作年 |
1960(昭和35)年 |
材料 |
油彩・キャンバス |
寸法 |
38.0×45.7 |
署名 |
右下: さかもと 昭和三五 |
寄贈者 |
- |
来歴 |
- |
初出展覧会 |
なにわ会展(大阪・梅田画廊1960) |
作品名欧文 |
Boxes |
関連資料 |
![]() |
解説 |
後方にいくほど大きく描く逆遠近法を用い、明度差の少ない同系色の色彩で構成されているこの「箱」は、空間と箱が同一化していくかのようで、見るものを不思議な世界へと誘い込む力を持っている。 そこには、単なる箱以上の存在そのもの、すなわち、坂本が「物感」と呼ぶ、自然を対象にする人間的な精神の表出があり、極めて東洋的な考え方もうかがうことができる。 そういった意味で、余白も、描かれた対象との関係において坂本にとっては、重要な役割を担っているわけである。 坂本は、1882年、福岡県久留米で生まれ、小学校の同級生に青木繁がいた。1900年青木繁に伴われて上京、不同舎に入り、ついで太平洋画会研究所で学んだ。印象派的な作風から出発しながらも、そこに深い内面性を賦与しようとする坂本の世界が、「能面」、「箱」そして晩年の「月」の連作に至るまで飽くことなく追求されている。(森本孝 1992年 125の作品・三重県立美術館所蔵品掲載) |
---|---|
展覧会歴 |
なにわ会展(大阪・梅田画廊 1960) 安井曾太郎・坂本繁二郎二人展(梅田近代美術館 1977) 坂本繁二郎展(東京国立近代美術館 1982) no.105 20世紀絵画の展開(名古屋市美術館 1988)no.176 静物・ことばなき物たちの祭典(静岡県立美術館 1990) no.III-30 絵画の詩と造形(奈良県立美術館 1992) no.60 日本近代絵画の一展開(愛媛県立美術館 1994) no.6 日本洋画のれきし 三重県立美術館コレクションによる(茨城県近代美術館 2000) no.92 秘蔵の名品アートコレクション展(ホテルオークラ 2002) 開館35周年記念Ⅰ ベスト・オブ・コレクション―美術館の名品(三重県立美術館 2017) 没後50年 坂本繁二郎展(久留米市美術館 練馬区立美術館 2019) |
文献 |
久我五千男編『坂本繁二郎画集』(求龍堂1962) 『坂本繁二郎画集』(求龍堂1964) no.176 久我五千男編『坂本繁二郎作品全集』(朝日新聞社1970) no.106 河北倫明『坂本繁二郎』(中央公論美術出版1974)単色no.14 『日本の名画11』(中央公論社1976) no.42 『増補 坂本繁二郎作品全集』(朝日新聞社1981) pl.88 尾崎正明「坂本芸術のテーマ」『視る』(東京国立近代美術館ニュース)181号 1982 『アサヒグラフ別冊 '82秋 坂本繁二郎』(朝日新聞社1982) no.68 |