箱根


コレクション

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ジャンル

絵画(油彩画等)

作者名

児島善三郎
KOJIMA Zenzaburo

制作年

1938(昭和13)年

材料

油彩・キャンバス

寸法

131×163

署名

左下:Z.Z.Kojima

寄贈者

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来歴

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初出展覧会

第8回独立展(東京府美術館 1938)

作品名欧文

Hakone
関連資料

解説

ここに描かれているのは、観光地として有名な箱恨芦ノ湖と双子山を箱根峠から見た風景。
 大胆にデフォルメされた山容、湖水や樹木に使われた鮮やかな青や緑など、見る者に強い印象を与える風景画である。
 作者の児島善三郎(一八九三-一九六二年)は、二科会や一九三〇年協会に属した後、独立美術協会の結成に参加し「日本人の油絵」を創造することを目指した画家として知られる。
 作者自身の解説によれば、双子山の眺望に魅せられてこの絵を描いたが、雄大な感じを出すために、山の大きさは相当、誇張したという。
 それは、実景をありのまま描くことよりも、日本を代表する風景を通じて、自分自身が理想とする風景をキャンバスの上につくり上げることに大きな関心があったということだろう。
 こうしたところにも、西洋起源の画材を用いながら、日本独自の油彩画とは何かを追求した、画家の姿勢をうかがうことができるかもしれない。 (毛利伊知郎 中日新聞 1998年9月17日掲載)

展覧会歴

第8回独立展(東京府美術館 1938)
日本の風景展(国立近代美術館 1956)
児島善三郎展(福岡県文化会館 1976) no.36
昭和前期洋画の展会(茨城県立美術博物館 1983)
近代洋画の展開(和歌山県立近代美術館 1985) no.22
日本近代洋画の歩み展(大分県立芸術会館 1987) no.89
昭和前期洋画(姫路市立美術館 1988) no.16
日本油彩画の独立性を求めて(東京都美術館 1989)no.51
児島善三郎展(奈良そごう美術館 1989) no.30
昭和の絵画・第一部 戦前 伝統と近代(宮城県美術館 1991) no.52
児島善三郎展(福岡市美術館、千葉そごう美術館、茨城県近代美術館、小田急美術館、三重県立美術館 1993-94) no.38
近代日本の美術ー洋画家・日本画家たちの模索と展開ー(愛媛県美術館 1998)
日本洋画のれきし 三重県立美術館コレクションによる(茨城県近代美術館 2000) no.68
日本の山岳風景画―誕生と展開―(長野県信濃美術館 2000)
近代日本絵画に見る「自然と人生」―風景の発見、そしてその中へ―(神奈川県立近代美術館 2004)
山―発見された風景美(山口県立美術館、松本市美術館 2016)
コレクションによる特別展示 春をまちわびて 美術から考える自然との調和(=エコロジー)(三重県立美術館 2022)

文献

『みずゑ』398号 1938 pl.217
『アトリエ』1938年4月号
『美術年鑑 昭和14年版』(美術研究所 1939)
『日本現代画家選15、Z.KOJIMA』(美術出版社 1954) pl.4
『日本百選画集 児島善三郎』(美術書院 1957)pl.19
『みずゑ』654号 1959
『芸術新潮』149号 1962 p.73
『日本美術全史』(美術出版社 1969) pl.267
『児島善三郎作品集』(美術出版社 1972) pl.80
『現代日本の美術10 中川一政・児島善三郎』(集英社 1975) pl.15
『原色現代日本の美術7 近代洋画の展開』(小学館 1979) p.26-27
『昭和の美術2・11~20年』(毎日新聞社 1990)
p.84
『日本の近代美術9・1930年代の画家たち』(大月書店 1992) 
森本孝「児島善三郎《箱根》」『ひる・ういんど』(三重県立美術館ニュース)46号 1994
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