麦二三寸


コレクション

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ジャンル

絵画(油彩画等)

作者名

岸田劉生
KISHIDA Ryusei

制作年

1920(大正9)年

材料

油彩・キャンバス

寸法

37.5×45.5

署名

上中央部:劉 三月十六日

寄贈者

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来歴

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初出展覧会

岸田劉生個人展覧会(神田・流逸荘 1920)

作品名欧文

Young Barley Shoots
関連資料

解説

 東京・銀座に生まれ、はじめ白馬会洋画研究所にて黒田清輝に油彩画を学ぶ。そののち雑誌『白樺』に接し、ポスト印象派の作品から影響を受けた。短い生涯の中で、西洋古典絵画や日本の浮世絵にも目を向け、独自の画風を確立した。
 劉生は、1916(大正5)年に結核と診断され、翌年、3歳の娘・麗子を連れて、神奈川県藤沢町鵠沼の貸別荘に転居している。劉生の日記によれば、療養生活の中、麗子や静物を室内で描き、晴れた日には写生に出かけ、鵠沼の風景を描いた。本作品の風景は、貸別荘の前から北向きの風景であるが、劉生は気に入ったようで、視点や季節を変えながら、くり返し描いている。あぜ道に立つ赤い和服の少女は麗子である。
 早春の風景を描いた本作では、薄い雲の流れる青空の下、金色に輝く麦畑に青い麦が芽吹き始めている。穏やかな農村風景は、地平線に緩やかな勾配のあぜ道が交わることで、一層広く見える。この広漠とした風景を、和服の赤色が引き締めている。
(村上敬 『三重県立美術館 コレクション選』 2022年)

展覧会歴

岸田劉生個人展覧会(神田・流逸荘 1920)
第8回草土社展(赤坂溜池三会堂 1920)
名古屋草土社展(十一屋呉服店 1921)
歿後二十五年記念劉生展(銀座松坂屋 1955)
岸田劉生展(愛知県文化会館美術館 1976) no.55
没後50年記念岸田劉生展(東京国立近代美術館 1979) no.127
岸田劉生の写実(倉吉市立倉吉博物館 1984) no.35
岸田劉生と三岸好太郎(北海道三岸好太郎美術館 1987)
岸田劉生展(福井県立美術館、熊本県立美術館、西宮市大谷美術館 1988) no.62
神奈川文学散歩展―湘南の光と影(県立神奈川近代文学館 1988)
画家が求めた日本の美―近代日本風景画の展開(東京富士美術館 1989) no.127
岸田劉生と鵠沼風景(西武アート・フォーラム、藤沢市民ギャラリー、笠間日動美術館 1990)no.36
湘南の文学と美術展(平塚市美術館 1993) no.42
油絵・日本展(郡山市立美術館 1993) no.161
個性の時代―草土社から春陽会へ(北海道立三岸好太郎美術館 1995)
伸びゆく生命―勅題“笛”によせて(式年遷宮神宮美術館 1996) no.28
岸田劉生―内なる美の思索(佐野美術館 1996) no.31
劉生と御舟展(豊田市美術館 1996) no.29
気まぐれ美術館・洲之内徹と日本の近代美術(目黒区美術館、兵庫県立近代美術館 1997)no.27
緑と土への思い―劉生の時代、そしてその後(茨城県近代美術館 1998)
日本洋画のれきし 三重県立美術館コレクションによる(茨城県近代美術館 2000) no.32
岸田劉生展(愛知県美術館、神奈川県立近代美術館、笠間日動美術館 2001)
―内なる美を求めて―劉生と京都(京都市美術館 2003)
生誕120周年記念 岸田劉生展(大阪市立美術館 2011)
愛知のリアリズム―宮脇晴の周辺 (豊田市美術館 2014)
開館35周年記念Ⅰ ベスト・オブ・コレクション―美術館の名品(三重県立美術館 2017)
岸田劉生展―実在の神秘、その謎を追う(豊橋市美術博物館 ふくやま美術館 2018)
没後90年記念 岸田劉生展(東京ステーションギャラリー 山口県立美術館 名古屋市美術館 2019-2020)

文献

岸田劉生『劉生画集及芸術観』(聚英閣1920)
『芸術新潮』299号 1974年11月
『岸田劉生画集』(岩波書店1980) pl.104
岸田夏子『肖像画の不思議 麗子と麗子像』(求龍堂 2009)p.17
日本経済新聞日曜版『サンデー日経』(シリーズ「美の美」(「子どもの情景」、2010年8月15日)
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