作品


コレクション

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ジャンル

絵画(油彩画等)

作者名

桂ゆき
KATSURA Yuki

制作年

1958(昭和33)年

材料

油彩・キャンバス

寸法

120×82.0

署名

右下:Y. KATSURA

寄贈者

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来歴

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初出展覧会

個展(東京画廊 1961)

作品名欧文

Work
関連資料

解説

オレンジ色の無数の細長い点が画面上を流動している。よく見ると、この動きは右下隅を中心に沸き起こっており、画面の下方ほど絵の具の厚みが増して物質感が強まり、同時に流動も激しくなる。
 この絶え間ない流動の状態は、たとえば顕微鏡下に観測される生きた細胞の様子に似ており、活発な生命エネルギーの活動状態そのものといえるのではないだろうか。
 そして点の集合体の部分が、エネルギーの充満状態であるとするなら、それを取り囲む空間と、その真ん中にぽっかりと空いた穴とは、単なる背景ではなく、エネルギーを寄せつけない負の空間のようにも思われてくる。
 桂ゆきが戦前から試みていた、コルクのコラージュを思わせる方法によって獲得された独自の質感とエネルギーの表現。上部に一本、左下に三本伸びた繊毛のような線から生まれる桂ゆき特有のユーモラスな生き物めいた感覚。同時代の美術の動きとは無縁の道を歩むように見えて、鋭敏にその時代の空気を感じ取っている作家らしい作品である。 (土田真紀 中日新聞 1990年3月9日掲載)

展覧会歴

個展(東京画廊 1961)
個展(東京画廊 1989)
桂ゆき展(下関市立美術館 1991)
日本洋画のれきし 三重県立美術館コレクションによる(茨城県近代美術館 2000) no.108
生誕百年 桂ゆき展(東京都現代美術館、下関市立美術館 2013)
開館35周年記念Ⅰ ベスト・オブ・コレクション―美術館の名品(三重県立美術館 2017)

文献

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