箱の中の空 No.7
コレクション |
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ジャンル |
絵画(油彩画等) |
作者名 |
伊藤利彦 ITO Toshihiko |
制作年 |
1993(平成5)年 |
材料 |
ラッカー、ひも、コラージュ・木 |
寸法 |
176×197×4.8 |
署名 |
右下:'93 T.Itoh |
寄贈者 |
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来歴 |
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初出展覧会 |
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作品名欧文 |
Space in a Box No. 7 |
関連資料 |
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(19972O007000A)
解説 |
一九七八年以降の伊藤の作品は、白いレリーフの形式で制作された。屋外や飛行機などが真っ白に漂白されたうえ、立体としての厚みを圧縮され、箱の中に封じこめられる。しかも箱は折り畳むことができる。作品の形がしばしば不規則なのはそのためで、畳めば四角になるわけだ。緻密(ちみつ)な細工には模型的な性格を認められようが、三次元性の削減や白さがそこから現実の重さを奪い去る。絵の具で描かれたイメージではなく模型状の物体であることが逆に、重さ、ひいては実体感のなさをもたらすのに寄与しているのだろう。先立つ七〇年代の伊藤は、人の視点の不安定さを提示するという概念的な作業に従事していた。 以後も視点という問題は一貫しているが、白いレリーフという形式を見いだすことで、自由な戯れの相が獲得されることとなった。とりわけ飛行機や飛行船の主題は、閉じた箱こそが大空への抜け道であることを物語っているのかもしれない。 (県立美術館学芸員・石崎勝基) |
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展覧会歴 |
伊藤利彦展(三重県立美術館 1996)no.44 三重の三人(三重県立美術館 2007)i-11 開館35周年記念Ⅰ ベスト・オブ・コレクション―美術館の名品(三重県立美術館 2017) |
文献 |
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