自画像
コレクション |
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ジャンル |
絵画(油彩画等) |
作者名 |
青木繁 AOKI Shigeru |
制作年 |
1905(明治38)年 |
材料 |
油彩・厚紙 |
寸法 |
33.7×24.6 |
署名 |
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寄贈者 |
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来歴 |
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初出展覧会 |
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作品名欧文 |
Self-portrait |
関連資料 |
解説 |
明治三十六年、東京美術学校に在学中の青木繁は、黒田清輝率いる白馬会で白馬会賞を受賞、華々しいデビューを飾った。『古事記』に着想を得たという受賞作「黄泉比良坂(よもつひらさか)」は、パステルや水彩で描かれた幻想的な作品だった。 画家としての成功を手中に収めたのもつかのま、沸きたつ想像力を画面にぶつけたかのような未完を思わせる作風のせいか、早くも二年後には青木と白馬会の間にズレが生じてしまう。以後、元に戻ることのないズレだった。 この自画像はそのころに制作された。画業だけでなく貧困、恋人との関係など、いくつものことが彼の精神に緊張を強いた時期だった。ロマン主義的な苦悩の表情は、フランスの画家ドラクロワを連想させるが「激しい情熱」に対する二人の処し方は根本的に異なっている。 禁欲的な生活をし、情熱を内に秘めたまま制作に没頭したドラクロワ。一方、青木は情熱を御しきれず、夢破れて二十八歳の若さで砕け散っていった。 (桑名麻理 中日新聞 1998年・月掲載) |
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展覧会歴 |
近代日本の洋画史を開いた九州の画家たち展(福岡県文化会館 1968) 青木繁展(ブリヂストン美術館 1972) 日本洋画のれきし 三重県立美術館コレクションによる(茨城県近代美術館 2000) no.20 イメージの水位:ナルキッソスをめぐる変容と反射(豊田市美術館 2004) 没後100年 青木繁展(石橋美術館、京都国立近代美術館、ブリヂストン美術館 2010-2011) 画家達の二十歳の原点(足利市立美術館のみ出品 2011) 開館35周年記念Ⅰ ベスト・オブ・コレクション―美術館の名品(三重県立美術館 2017) 自画像展~ひとみのなかに自分がいる~(一宮市三岸節子記念美術館 2021) |
文献 |
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