鈴屋翁
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コレクション |
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ジャンル |
絵画(日本画等) |
作者名 |
安田靫彦 YASUDA Yukihiko |
制作年 |
1932(昭和7)年 |
材料 |
絹本着色 |
寸法 |
47.5×56.0(全体:149.5×77.5x7.1) |
署名 |
左中央下: 靫彦 「靫」(朱文方印) 右: のきくらきはるのあまよのあまそゝきあまたもおちぬおとのさひしさ |
寄贈者 |
公益財団法人岡田文化財団寄贈 |
来歴 |
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初出展覧会 |
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作品名欧文 |
Portrait of Suzunoya (Motoori Norinaga) |
関連資料 |
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解説 |
東京・日本橋の老舗料亭に生まれた安田靫彦は、幼いころから歌舞伎や浮世絵に親しんで育った。はじめ有職故実に基づいた歴史画で知られる小堀鞆音に師事するが、師風に留まらない歴史画を目指し研究を重ねた。新しい日本画の創造を目指した岡倉天心の薫陶を受け、明治時代後期から戦後に至る近代日本画の展開において、その中核を担う画家として活躍を続けた。 本作は、伊勢国松坂(現・三重県松阪市)出身の国学者・本居宣長の像。画題の鈴屋は宣長の書斎の名で、号としても用いたもの。画面右上には、宣長が詠んだ歌、「軒くらき春の雨夜のあまそゝぎあまたも落ちぬ音の寂しさ」が添えられる。靫彦は、大正の終わりから昭和の初め頃にかけて、墨を基調とする抑制された色彩の作品に取り組んでおり、本作もその流れに位置する。春雨の降る肌寒い夜に、手あぶり火鉢で暖を取り、読書に耽る宣長が簡潔に表現された作品である。先行作品にとらわれることのない主題解釈と理知的な画面構成、美しく厳しい描線と洗練された色彩で、靫彦は独自の歴史人物を数多く描き出した。 (道田美貴 『三重県立美術館 コレクション選』 2022年) |
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展覧会歴 |
岡田文化財団コレクション―珠玉の近代絵画展(そごう美術館・横浜 2004) 21世紀の本居宣長(四日市市立博物館 2004) 安田靫彦(没後30年 茨城県近代美術館 2009) 遊亀と靭彦(滋賀県立近代美術館 2014) 開館35周年記念Ⅲ 本居宣長展(三重県立美術館 2017) 岡田文化財団寄贈作品展(パラミタミュージアム 2019) 近現代日本画 三重県立美術館名品展(笠岡市立竹喬美術館 2023) |
文献 |
『安田靫彦展』(名古屋市美術館 1993年) 日本美術院百年史 5巻 |