都会女性職譜(奇術師)
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コレクション |
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ジャンル |
絵画(日本画等) |
作者名 |
中村岳陵 NAKAMURA Gakuryo |
制作年 |
1933(昭和8)年 |
材料 |
紙本着色 |
寸法 |
36.3×41.9 |
署名 |
右上:奇術師右下:昭和八年九月作 「岳陵」(朱文長方印) |
寄贈者 |
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来歴 |
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初出展覧会 |
第20回院展(1933) |
作品名欧文 |
Magician (From "Record of the Occupations of Urban Women") |
関連資料 |
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解説 |
中村岳陵は、静岡県下田市の生まれ。12歳で江戸琳派の流れをくむ野沢堤雨に学び、次に土佐派の川辺御盾に師事。さらに東京美術学校を首席で卒業した後、院展、戦後は日展に舞台を移し活躍した。伝統的な大和絵の技法を修め、写生を重ね、さらに西洋美術を研究し、幅広い分野においてモダンで清新な作品を発表した。 働く女性を描いた本作は、日本の伝統的画題である「職人尽絵」を連想させる。後に岳陵は、最初は20種類くらいの職種を考えていたが思うように進まず、7点のみを第20回院展に出品したと述べている。主に近代都市を象徴する百貨店や劇場、カフェなどが舞台となっており、古典的な画題を同時代的な作品へ昇華させようとする岳陵の意欲的な姿勢をみることができる。綿密に練られた大胆な画面構成や色彩は、「モガ」と呼ばれた女性たちを映し出すと同時に、当時の緊迫した社会情勢までも暗示し、時代の空気を伝える作品となっている。なお、「女給」は、風紀を乱すとして会場から一日で撤去された。 (道田美貴 『三重県立美術館 コレクション選』 2022年) |
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展覧会歴 |
第20回院展(1933) 中村岳陵展(山種美術館 1979) 中村岳陵展(銀座松屋 1987) 近代都市と芸術展(東京都現代美術館 1996) FemaleIdentityー女はどう表現されてきたか(岡山県立美術館 1996) 郷土の美人画考(名古屋市美術館 1997) 福田平八郎と六潮会展(大分県立芸術会館 1997) 日本美術院創立100年記念特別展「近代日本美術の軌跡」(東京国立博物館、広島県立美術館、名古屋松阪屋美術館、京都市美術館 1998-1999) 魔術/美術 幻視と技術の内なる異界(愛知県美術館 2012) 開館35周年記念Ⅰ ベスト・オブ・コレクション―美術館の名品(三重県立美術館 2017) 日本画*大研究展(三重県立美術館 2018) コレクションによる特別展示 #StayMuseum ステイミュージアム(三重県立美術館 2020) |
文献 |
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