祇園の雨


コレクション

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ジャンル

絵画(日本画等)

作者名

宇田荻邨
UDA Tekison

制作年

1953(昭和28)年

材料

絹本著色

寸法

97.9×117.0

署名

右下: 荻邨 「荻邨」(朱文方印)

寄贈者

公益財団法人岡田文化財団寄贈

来歴

-

初出展覧会

第9回日展(東京都美術館 1953)

作品名欧文

Rain in the Gion District
関連資料

解説

 宇田荻邨は、三重県松阪出身の日本画家。伊勢の画家・中村左洲に手ほどきを受けた後、1913(大正2)年に17歳で上洛。京都画壇の菊池芳文に入門、芳文の勧めで京都市立絵画専門学校別科にも学んだ。芳文没後はその養嗣子である契月に師事。以降、長きにわたり京都に身を置き、その歴史と伝統、人々の営みを見つめ、京洛の四季を描き続けた。
 本作の舞台は京都の祇園白川沿い。祇園の街並み、雨に濡れる木々、背後にかすむ東山が繊細な筆致で描き出されている。蛇の目傘をさし、裾をからげて道を急ぐ女性が画面に一層の情趣を添える。
 師や同時代の画家たちの作品や作画姿勢に真摯に向き合い、さらには古画を幅広く研究しながら、荻邨は大きく画風を展開させた。戦後は、奇をてらうことのない自然な構図で京都の風景を捉え、流麗な線描と洗練された色彩で、清澄典雅と称される独自の画風を確立した。荻邨の代表作に数えられる本作は、第9回日展の出品作である。
(道田美貴 『三重県立美術館 コレクション選』 2022年)

展覧会歴

宇田荻邨展(三重県立美術館 1983)no.28
本画と下絵―宇田荻邨と近代日本画(三重県立美術館 1992)no.1-14
近代の日本画-京都の画家たち-(鳥取県立博物館 1992)no.48
かわらの美展(高浜市やきものの里かわら美術館 1995)no.9
水の記憶-人と自然の原風景展(山梨県立美術館 1996)no.60
宇田荻邨展(東京ステーションギャラリー 1997)no.25
珠玉の近代絵画~岡田文化財団コレクションより~(四日市市立博物館 2001)
岡田文化財団コレクション―珠玉の近代絵画展(そごう美術館・横浜 2004)
開館35周年記念Ⅰ ベスト・オブ・コレクション―美術館の名品(三重県立美術館 2017)
岡田文化財団寄贈作品展(パラミタミュージアム 2019)
コレクションによる特別展示 #StayMuseum ステイミュージアム(三重県立美術館 2020)
開館40周年記念 宇田荻邨展(三重県立美術館 2022)

文献

藤田猛『宇田荻邨』(1978 京都書院)
『没後3年記念・宇田荻邨展』図録(1983 三重県立美術館)
塩川京子 現代日本画全集第5巻『宇田荻邨』(1982 集英社)
『岡田文化財団寄贈作品集』(1990 三重県立美術館)
『125の作品・三重県立美術館所蔵品』(1992 三重県立美術館)
小原流出版 月刊誌『小原流挿花』1994.6月号
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