山水図
コレクション |
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ジャンル |
絵画(日本画等) |
作者名 |
池大雅 IKENO Taiga |
制作年 |
制作年不詳 |
材料 |
紙本淡彩 |
寸法 |
130×30.5 |
署名 |
左上:九霞山樵写意 / 「無名」「貸成」(白文連印)上部:「乱山疊々叢樹森々 檻辺流水宗上素琴 主人暁起無□奥室 僮烹茗覚昏沈 方分友人瀬庵題」の賛 / 「元明之印」(白文方印) 「勢南山樵」(朱文方印) |
寄贈者 |
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来歴 |
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初出展覧会 |
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作品名欧文 |
Landscape |
関連資料 |
解説 |
平安末期の歌人、藤原良経は「南海漁夫」「西洞隠士」という雅号を持っていた。現実の身体は宮廷にありながら、心は人のいない山林に隠逸することを願うという、老荘に源を持つ「隠者」の思想が、このころすでに日本にあらわれているひとつの証拠でもある。 この思想が、絵画において形をとったものを、普通「文人画」と呼び、十八世紀江戸の日本で一応の達成を示した。ただ、職業的な画家ではない文人が描くものが「文人画」だとすると、たとえば、京の町衆出身の職業画家・池大雅などは、中国の文人概念からは遠く逸脱することになる。 しかし、そこにこそ、かえって日本文人画があったというためには、ひとりこの大雅の自由があれば、それで十分だった。 霞が晴れれば、深山幽谷の中に一草庵があり、傍らを清流が流れ、童子二人、主人のために茶を煮る。主人は隠士であり、無為をこととするせいか、室内に生活をにおわせるものはほとんどない。ただ机の上に琴一張。これはどうあっても、陶淵明の無弦琴を思い出させる。「九霞山樵」大雅の無弦琴のうたうきこりの歌は明るい。 (東俊郎 中日新聞 1989年7月29日掲載) |
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展覧会歴 |
離合山水図に魅せられて(松阪市文化財センター 2020) |
文献 |
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