資料詳細

二人の女

項目 内容
コレクション
ジャンル その他
作者名 小川詮雄OGAWA Norio
制作年 1913(大正2)年
材料 水彩・紙
寸法 19.5×13.0
署名
寄贈者 小川源茂氏寄贈
来歴
初出展覧会
作品名欧文 Two Women
サイト
解説 松阪出身の小川詮雄(のりお、一八九五~一九四四)は京都で日本画を学び、後に洋画に転じた画家だが、詳細は知られていない。しかし現在目にすることのできる、多くはない作品には、時代の刻印が深く刻まれている。世紀末的なメランコリーが色濃いペン画はその典型だが、対照的に華やかな色彩が横溢(おういつ)する本作品でも、印象主義以降の点描法などの影響がはっきり認められる。もつとも、大きな影響をこうむったにせよ、それを租爵(そしゃく)しようとする工夫も欠けてはいない。水彩の透明感と流動性を生かしつつ、たとえば衣装の継ぎ目を白抜きにすることで、多彩な色を統一する役割が紙の白さに与えられている。他方、右側の人物は爪先(つまさき)立ちしているように見えるが、芸人らしき二人の体勢に明確な動きや表情は読みとりがたい。そのため華やかさと沈潜が入り交じった微妙な雰囲気が生じてはいないだろうか。これがこの小品に独特の魅力をもたらしているのだ。
(県立美術館学芸員・石崎勝基)
展覧会歴
文献