資料詳細

樹下休息図

項目 内容
コレクション
ジャンル 絵画(油彩画等)
作者名 吉本作次YOSHIMOTO Sakuji
制作年 2000(平成12)年
材料 油彩・キャンバス
寸法 145.5×112
署名
寄贈者
来歴
初出展覧会 AFTER REMISEN #2 松岡徹+吉本作次(名古屋芸術大学アート&デザインセンター 2001)
作品名欧文 A Man Resting under the Tree
サイト
解説 この画面からは、古代アジアにおける《樹下美人図》の図像や、仏陀が菩提樹の下で悟りを開いたという伝承などが連想される。それらの場合樹は、生命の樹や天と地を結ぶ宇宙樹といった寓意を、背後に宿していたものと推測できよう。
 二〇世紀最後の年に制作されたこの作品に、そうした意味がこめられていたわけではないにせよ、一見何も描かれていない背景のほぼ中央を縦に貫く樹には、ある種の象徴的な性格を読みとることもできるかもしれない。
 としてもその象徴性は、決して重苦しいものではない。一方でイメージをかたどる輪郭線が様式化されていること、他方背景の下層から下描きの線が透けていることの二点によって、性格の異なる二種の生動感がもたらされることになる。
 この時画面は、現実を再現するだけでは得られない、絵でしか現れることのないヴィジョンを、主題の面でも感覚的な面でも実現することとなったのだ。=『新収蔵品展』より
 (県立美術館学芸員・石崎勝基)
展覧会歴 吉本作次展(三重県立美術館県民ギャラリー 2005)
文献 AFTER REMISEN #2 松岡徹+吉本作次(名古屋芸術大学アート&デザインセンター 2001)図録 p.9
「作家インタビュー-2 吉本作次」『REAR 』no.5 WINTER 2004p.13
石崎勝基「樹下休息図 美術館だより・吉本作次展から」『中日新聞(三重版)』2006.2.19