資料詳細
項目 | 内容 |
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コレクション | |
ジャンル | 版画 |
作者名 | ブレイク、ウィリアム/BLAKE, William |
制作年 | 1825年 |
材料 | エッチング・紙 |
寸法 | 21.5×16.8 |
署名 | |
寄贈者 | |
来歴 | |
初出展覧会 | |
作品名欧文 | The Book of Job, The Book of Job |
サイト | |
解説 | 神を畏(おそ)れる義人ヨブは、人間の信仰が逆境に耐えうるかどうかという神とサタン(悪魔)の論争から、神の試練にためされる。 家財もろとも一族を滅ぼされ、自らも病に倒れ不幸のどん底に突き落とされるが、やがて信仰を守り通すヨブのもとに真の信仰への目覚めと以前にも増す繁栄が訪れる。「ヨブ紀」は、なぜ、義人に言われなき災難がふりかかるのか、説明されないままの難解な旧約聖書の物語である。 ブレイクは、ヨブを既に罪を犯した人間存在として解釈し、二十一点からなる銅版画集にした。それぞれ主画面の周りに副画面が添えられ、その中に聖書からの引用句が刷り込まれている。挿画と文字とが見事に統合され、主副の画面と引用句の間で意味がこだまし、ブレイクの解釈が重奏される。 「ヨブ記」は、聖書の解釈としてだけでなく、技法的にもブレイク晩年の傑作といわれる。微細な描写が積み重なり、物の形態、光、質感などあらゆる要素が表現され、一本の線へのブレイクの集中力が、微細で熱のこもった空間を仕上げている。 ブレイクは、完成から間もなく六十九歳で世を去っている。(桑名席理 中日新聞 2000年5月25日掲載) |
展覧会歴 | 開館35周年記念Ⅰ ベスト・オブ・コレクション―美術館の名品(三重県立美術館 2017) |
文献 |