資料詳細

『古代史』より「アペレスとカンパステ」

項目 内容
コレクション
ジャンル 版画
作者名 ドーミエ、オノレDAUMIER, Honoré
制作年 1842
材料 リトグラフ・紙
寸法 33.2×24.6
署名
寄贈者
来歴
初出展覧会
作品名欧文 Apelles et Campaste (From "Histoire ancienne")
サイト
解説  ドーミエは、政治社会を痛烈に風刺した作品で知られる19世紀フランスの版画家・画家。全50点の連作「古代史」は1841-43年に新聞『シャリヴァリ』紙に掲載された。本連作において、画家は通常歴史画に描かれる高尚な人物に、皮肉たっぷりに生気を吹き込んでみせた。
 アペレスとは、アレクサンドロス大王に仕え、多くの傑作を描いたと伝えられる古代ギリシャの画家。彼は、王の愛妾カンパスぺ[註]をモデルに作品を制作するうちに彼女に恋をする。作品の出来栄えに感心した王は、二人の好意を察し、自ら身を引いたという。
 本作では、アペレスは身をすりへらした老画家の姿で、麗しのカンパスぺも皺が刻まれた女性の姿で描かれる。王は立派な甲冑に身を包み、得意げに二人の仲を取り持つ。王の心を動かしたアペレスの名作も右手に見えるが、画中のカンパスぺは親指を鼻先に当て、小指をひらつかせる愚弄のポーズをとっている。
[註]本作にはCampaste(カンパステ)と書かれるが、Campaspe(カンパスペ)もしくはPancaste(パンカステ)が一般的な表記である。
(鈴村麻里子 『三重県立美術館 コレクション選』 2022年)
展覧会歴
文献