資料詳細

『古代史』より「ハンニバルの進軍」

項目 内容
コレクション
ジャンル 版画
作者名 ドーミエ、オノレDAUMIER, Honoré
制作年 1842
材料 リトグラフ・紙
寸法 33.2×24.6
署名
寄贈者
来歴
初出展覧会
作品名欧文 Le passage d'Annibal (From "Histoire ancienne")
サイト
解説 カルタゴの将軍ハンニバルは、第二次ポエニ戦争を闘い抜いた功績で名高い。スペインを制圧後、ピレネー山脈をまたぎ、ローヌ川を渡り、アルプスを越え、北イタリアへ進入を果たす。
ローマを目指すも長期戦の疲労から敗北を喫し、最後はローマ軍に退路を経たれて自決する。雪深い山中で、名将軍は手足や顔を寒風にさらし、手にした瓶に目を凝らしている。ラテン語風の表記で「ピクルスの缶詰め」と記されたその瓶は、彼が寄り掛かる「オルレアンの高級酢」のたると同様、極寒の地を乗り切る有効な手段となりうるのであろうか。オルレアンはロワーヌ川沿いの町、酢や酸漬けを名産とする。ドーミエは想像力を膨らませ、同地をハンニバルの補給場所に設定した。
ちなみに、アルプスを越えて進軍したもう一つの有名人といえば、ナポレオンⅠ世である。オーストリアに対する第二次イタリア遠征での雄志は、有名なダヴィッドの「サン・ベルナール峠を越えるポナパルト」でおなじみである。実は、画中の岩にハンニバルの名も刻まれているのであった。
(県立美術館学芸員・生田ゆき)

[作家名(フランス語)]
Honoré DAUMIER
展覧会歴
文献