資料詳細

『古代史』より「その時うまい言い回し」

項目 内容
コレクション
ジャンル 版画
作者名 ドーミエ、オノレDAUMIER, Honoré
制作年 1842
材料 リトグラフ・紙
寸法 33.2×24.6
署名
寄贈者
来歴
初出展覧会
作品名欧文 Bon mot du temps (From "Histoire ancienne")
サイト
解説 ギリシャの哲人ディオゲネスは、若かりしころ偽金づくりに手を染めたが、アテナイに亡命後は虚飾と物欲を脱ぎ捨て、禁欲的な生活に身をささげた。所有するのは必要最低限の生活必需品のみ。
衣服も靴も脱ぎ捨てて、街に転がる樽(たる)の中で寝起きをしたと言われている。ここではドーミエの手により、くず拾いに変えられたディオゲネス。「哲学的ぼろくず」との張り紙付きのかごを背に乗せ街を徘徊(はいかい)中である。ある人が彼の獲物を問うたところ、「人間じゃよ」と答えが返ってきたそうな。昨日も今日も成果無し。ふと足を止め、画面を見やるわれわれに視線を送り返してみるが、ディオゲネスの口から出る言葉は、「ここにいた!」のか「ここにもいない・・・」のか、答えは私たちの胸の内が一番よく知っている。
(県立美術館学芸員・生田ゆき)

[作家名(フランス語)]
Honoré DAUMIER
展覧会歴
文献