資料詳細

「ヨブ記」より 第15図:ベヘモトとレヴィアタン 『ヨブ記』40:15、41:34

項目 内容
コレクション
ジャンル 版画
作者名 ブレイク、ウィリアムBLAKE, William
制作年 1825年
材料 エッチング・紙
寸法 21.5×16.8
署名
寄贈者
来歴
初出展覧会
作品名欧文 The Book of Job(15)
サイト
解説 縁どられた画面の下方を大きな円が占め、その上半を“河馬”めく動物、下を“海龍”がいっぱいにみたす。上部では、左右を天使にかためられて、神が人間たちに下方を指さしている。
 河馬のような獣はベレモート、龍はレヴィアタン、ともに原初の混沌(こんとん)を体現する宇宙大の存在である。とすれば、神が指すだ円は始源の宇宙にほかなるまい。
 ただしこの作品は、単なる絵描きに終わっていない。構図は神の平面に即した線的なものだが、濃密な線鋭が施されて、各形態は著しい量感を帯びる。
 この量感は奥行きへ向かうものではないにせよ、構図の図式性との間に緊張を生じさせている。ために、描かれた世界は観念的でありながら、異形の実在感を放つのだ。 (石崎勝基 中日新聞 1989年12月2日掲載)

「河馬を見よ、これはあなたと同様にわたしが造ったもので」 『ヨブ記』40:15
ベヘモト:「これは神のわざの第一のものであって」 『ヨブ記』40:19
レヴィアタン:「すべての誇り高ぶる者の王である」 『ヨブ記』41:34
「だれか雲の広がるわけと、その幕屋のとどろくわけとを悟ることができようか」 『ヨブ記』36:29
「彼は濃い雲に水気を負わせ、雲はそのいなずまを散らす。これは彼の導きによってめぐる。彼の命じるところをことごとく世界のおもてに行うためである」 『ヨブ記』37:11-12
展覧会歴 開館35周年記念Ⅰ ベスト・オブ・コレクション―美術館の名品(三重県立美術館 2017)
文献