資料詳細

成女身

項目 内容
コレクション
ジャンル 彫刻
作者名 橋本平八HASHIMOTO Heihachi
制作年 1926(大正15/昭和元)年
材料
寸法 H180.0
署名
寄贈者
来歴
初出展覧会
作品名欧文 Statue of a Woman
サイト
解説  橋本平八は、三重県度会郡朝熊(現・伊勢市朝熊町)出身の彫刻家。1919(大正8)年に上京して佐藤朝山に入門し、1922(大正11)年より日本美術院展を舞台に活躍した。1926(大正15)年からは朝熊に拠点を移して制作を行い、古今東西の文芸や宗教に広く学びつつ、身の回りの自然に着想を得た独自の作品を展開した。
 本作は第13回日本美術院展の出品作。一本の桂の木から等身大の女性像を彫り出している。作家は本作について「化して女身となるの意」、「偏円幾何形態を基調とする立体の構成についての試み」[橋本平八『純粋彫刻論』昭森社、1942年、21頁]と記している。解釈が難しいが、現実の女性の身体を写すのではなく、何か精神的なものを女性の姿で表したということだろう。また、制作前後のデッサンから、作者が扁円形のシルエットを意識して制作したことがうかがえる。謎めいた言葉とこわばった女性の表情によって、観る者を作家独自の思想世界に引き込む作品である。
(髙曽由子 『三重県立美術館 コレクション選』 2022年)
展覧会歴 異色の芸術家兄弟 橋本平八と北園克衛展(三重県立美術館 世田谷美術館 2010)
空間に線を引く―彫刻とデッサン(平塚市美術館 足利市美術館 碧南市藤井達吉現代美術館 町立久万美術館 2019)
文献 日本美術院百年史 5巻
近代日本彫刻集成 第2巻 明治後期・大正編(国書刊行会 2012)pp.206-207