資料詳細

フレーブニコフのために

項目 内容
コレクション
ジャンル 絵画(油彩画等)
作者名 キーファー、アンゼルムKIEFER, Anselm
制作年 1984年
材料 油彩、アクリル、乳剤、鉛、鉄線・キャンバス
寸法 191×261
署名 なし(銘文あり)
寄贈者
来歴
初出展覧会
作品名欧文 For Khlebnikov
サイト
解説  ナチス・ドイツの負の記憶をはじめ、古代神話や歴史をテーマに、鉛片や藁などの素材をも用いながら、灰色や褐色を荒く塗りこめた重厚かつ荘厳な絵画で知られるキーファー。若い頃、デュッセルドルフでヨーゼフ・ボイスらに学んだ後、特に1980年代、具象表現の世界的な復権のなかで注目を集め、現代ドイツを代表するアーティストの一人となった。
 キーファーは、ロシア未来派の詩人フレーブニコフ(1885-1922)を1980年代からいくつかの作品で採りあげた。戦争などの歴史的事象を数式から解明、予言する「時間の法則」をこの詩人が探求したことにキーファーは強い関心を持ち、それが歴史や運命についての彼の思惟や表現に刺激を与えたようだ。曇天の暗く荒涼とした風景に、鉛でできた石状のかたまりが鉄線によってぶら下がる。画面右と左上の文字は「大きい鉄拳のドイツ(Größe Einsenfaust Deutschland)」、「小さい携帯式対戦車砲のドイツ(Kleine Panzerfaust Deutschland)」とあり、母国の戦争に言及している。
(速水豊 『三重県立美術館 コレクション選』 2022年)

[作品名(ドイツ語)]
Für Khlebnikov
展覧会歴 メランコリア―知の翼―アンゼルム・キーファー(セゾン美術館、他 1993)no.P-23(p.161)
文献 Daniel Arasse, Anselm Kiefer, London and New York, 2001, p.209