資料詳細

浜辺

項目 内容
コレクション
ジャンル 絵画(油彩画等)
作者名 藤島武二FUJISHIMA Takeji
制作年 1898(明治31)年
材料 油彩・板
寸法 23.5×32.5
署名 右下:A mon cher Nagahara / T.Foudjishima / '98
寄贈者
来歴 長原孝太郎; 長原坦; 三重県立美術館
初出展覧会
作品名欧文 Beach
サイト
解説 小さな板に描かれた、この油彩の右下には、フランス語で「我が友、長原君に。藤島武二」とある。長原とは、東京美術学校で教鞭(べん)をとった画家、長原孝太郎である。絵が贈られた年の明治三十一年、長原は黒田清輝の推薦を受けて、美術学校の助教授となっている。
 当時、藤島武二も、三年間の中学校の教員生活に終止符を打ち、やはり黒田の推挙により、美術学校で学生の指導にあたっていた。この板絵は、ともに三十代である画家の友情の証(あかし)であった。
 画面には、小さいながら巧みな筆致で、静かな浜辺の風景を背景にして、小舟が描かれている。鹿児島生まれの藤島には懐かしい風景であろう。東京美術学校に西洋画科が開設されたのは明治二十九年。まだ日本の油絵も画家も、若かった時代の話である。 (荒屋鋪透 中日新聞 1988年10月15日掲載)
展覧会歴 藤島武二展(高岡市立美術館、愛知県美術館 1989) no.4
湘南の文学と美術(平塚市美術館 1993) no.65
境界の風景(リアス・アーク美術館 1994)
藤島武二展(ブリヂストン美術館、石橋美術館 2002)
イメージの水位:ナルキッソスをめぐる変容と反射(豊田市美術館 2004)
洋画の青春―明治期・三重の若き画家たち(三重県立美術館 2024)
文献