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赤目四十八滝(名賀郡瀧川村長坂)※


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 『三重県案内』では、「名張町より二里許」の瀧川村長坂(現名張市)の山中にあって、「山麓延寿院まで新道腕車を通す」と、まず人力車の便を案内する。そして、行者滝・布引滝・不動滝・荷担滝・琵琶滝・滝ケ壺・霊蛇ケ滝・大日滝等の名を掲げ、中でも布引滝(『明治14年三重県統計表』では「曳布瀑」)は「直下百十尺倒に百練の糸を垂るるが如く」と、その光景をたたえる。さらに、「赤目」の語源についても「役行者か此山を開きし時、不動明王赤目の牛に騎して出てたるより名く」との伝承も紹介している。一方、明治31年(1898)、地元有志によって赤目保勝会が組織され、景観保護に乗り出していた。36年に瀑道改修、37年に『赤目四十八瀑名勝誌』の発行などの活動を行い、「樹木栽培・水源涵養、旅館及ビ茶亭建設」も事業目標であった(『三重県史』資料編 近代4)。また、そうした景観保護の動きもあって、赤目の峡谷は大正14年(1925)に史蹟名勝天然紀念物保存法により名勝に指定された。なお、掲載した写真は、『三重県案内』に「滝ケ壺ヲ現ス」と説明している。

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