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伊勢電気鉄道と松尾陸橋(度会郡四郷村楠部)


写真


 「伊勢電」という名からは伊勢湾に沿って桑名〜大神宮前間を走る全長87kmの電気鉄道を思い出される人も多いが、それは伊勢鉄道が大正15年(1926)に伊勢電気鉄道と改称したからである。写真の伊勢電気鉄道はそれ以前で、初代「伊勢電」であった。すなわち、明治30年(1897)に宮川電気会社が山田・二見間の電気鉄道軌道敷設の特許を得て36年8月開業し、まもなく伊勢電気鉄道会社と名を改めたのである。写真は度会郡四郷村楠部(現伊勢市)の松尾陸橋付近で、39年10月には両宮間を結ぶ路線も開通した(『宇治山田市史』上巻)。なお、この伊勢電気鉄道会社は、大正11年5月に津電灯会社・松阪電気会社と合併し三重合同電気会社となり、その後も昭和12年(1937)東邦電力、同14年神都交通、同19年三重交通と合併などで社名が変わった。そして、第二次大戦後は自動車輸送に圧迫され、36年1月には廃線となった。

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