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御木本真珠貝養殖場(志摩郡鵜方村神明浦)※


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 志摩地方は真珠で有名であるが、天然の真珠は「千個に一個の真珠なき程」で、御木本幸吉は「人為を以てせんとし、苦心惨憺殆んと寝食を忘れむ迄に研究」し、ようやく貝付半円真珠の養殖に成功した。明治26年(1893)鵜方村神明浦(現阿児町)の多徳島に真珠養殖場を創設し、一方ではこの養殖方法の特許を出願し29年1月に許可を得た。以来、養殖の業績も良く、御木本は真珠養殖の企業化を図った。32年には東京に真珠販売店を置き、35年には銀座通りに進出し、海外からも多くの注文を受けるようになった(『伝記 御木本幸吉』)。なお、真円真珠の養殖は少し遅れ、40年に的矢村渡鹿野(現磯部町)の見瀬辰平や御木本養殖場で研究していた西川藤吉がそれらに関する方法を特許出願した。

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