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みえの文化団体詳細

地域 北勢地域
団体名 鈴鹿マンドリンクラブ

無題
鈴鹿マンドリンクラブの皆様

プロフィール  鈴鹿マンドリンクラブは2004年に結成されました。筆者が取材に訪れたのは、2019年12月1日に鈴鹿市民会館で開催される「結成15周年記念コンサート」に向けた猛練習の最中(さなか)でした。


 メンバーは皆、普段は仕事を持ちながら、月2回の練習を中心に音楽活動を行っています。それだけを聞くと、つい、皆でマンドリンを持ち寄って、のんびりとサークル活動をする姿を想像してしまいがちです。しかし、実際はかなり違います。

 まず、メンバーの数が40人を超えます。相当な大所帯です。

 また、このクラブは、マンドリンだけが集まっているのではなく、マンドリン以外の楽器も参加し活動しています。その中には音楽大学出身のフルート奏者も含まれます。その方は、学生時代にこのクラブに関わっていて、卒業後、専業で音楽活動を行うようになった現在もメンバーとして参加しています。

 人数や構成として、きわめて本格的な楽団なのです。


 その構成は、以下の通りです。

・マンドリン(小型で主に旋律を担当) 
  マンドリンは、1stマンドリンと2ndマンドリンに分かれます。
・マンドラ(中型で主に中音部の旋律を担当)
・マンドセロ(大型で主に低音部を相当)
・ギター(クラッシックギター。主に伴奏部分を担当)
・コントラバス(低音でリズムを支える)
・ギタロン(ギターの仲間でベースと同じ役割を担当)
・シンセサイザー(鍵盤楽器)、アコーディオン
・パーカッション(電子ドラム、シンバル、トライアングル、ボンゴ、マラカス、
クラベス、ギロなど)
・フルート


 このクラブでは、「マンドリン合奏用に作曲・編曲された曲」や「クラブの編成に合わせ独自に編曲されたマンドリン合奏曲」を中心に演奏しています。マンドリン系の楽器が楽団の中心となっているため、名称は「マンドリンクラブ」です。

 一般的なマンドリン合奏団では、マンドリン、マンドラ、マンドセロ、ギターにコントラバスが入った編成で演奏されることが多いのですが、このクラブでは、さらに楽器を加えることで、通常のマンドリン合奏団では珍しい編成で幅広いジャンルの音楽を目指しています。

 もはや「オーケストラ」と呼んだ方がしっくりする規模です。


 その演奏の実力も「本格的」です。

 学生時代に部活動で腕を磨いた人を中心に、高い技術と熱意を持った人が多く参加しています。

 上述の記念コンサートも同クラブ単独開催で、2時間ものプログラムを用意しています。非常に多くの曲数を、多彩なジャンルから演奏します。

 
記事  マンドリンという楽器にはブームだった時代があり、また、多くの高校・大学に部活動があります。そのため、名前を聞いたことがあったり、琵琶と同じルーツを持つ独特の形状を思い浮かべられたりする人は多いかと思います。

 しかし、マンドリンがどういう楽器なのか、どういう音を奏でるのかについては、正確にご存じの方は少ないのではないでしょうか。


 まず、マンドリンの大きな特徴は、同じ音階の弦が2本ずつ並んでいることです。一弦ごとに一音階を奏でるギターなどと異なる点です。マンドリンでその2つの弦を交互に弾くと、同じ音階が連続で鳴ることになります。

 さらに、マンドリンでは、ピックを使って音を連続させるトレモロという奏法が多用されます。弓で弾く弦楽器であるヴァイオリン等と異なり、ギターは「持続音」を出せません。しかし、マンドリンでは、弦の特徴と奏法を併用して、持続音に極めて近い音を奏でることができます。

 その結果、マンドリンはヴァイオリンのような役割を果たせます。また、これは意見が分かれるかもしれませんが、筆者には、マンドリンの持続音が管楽器に近い音色に聞こえる瞬間がありました。管楽器とヴァイオリン、つまり管弦楽です。マンドリンを中心に編成した楽団は、まさにオーケストラを実現できるのです。

 さらに、弦を一音ずつ弾けば、ギターと同じような表現も可能です。
 マンドリンという楽器は、そういった特性や奏法を様々に駆使することで、驚くほど多彩な種類の音を奏でることができます。たとえば筆者の耳には中国の胡弓のように聞こえた瞬間もありました。そんな多彩な音色に、さらに多彩なサポート楽器が加わります。

 マンドリンのオーソドックスな音色は優しく伸びのあるもので、一般にマンドリンの故郷であるイタリアのオリジナル曲や民謡、ロシア民謡、古賀メロディーなどの演奏を得意としています。演奏会のプログラムでは、そのような曲がよく演奏されています。その上で、意外なものも含め、他にも様々な曲を演奏します。マンドリンの音の幅広さを使って、ちょっとびっくりするような表現を披露したりもします。機会があったら、ぜひ皆様自身のお耳でご確認いただきたいです。


 そんなマンドリン等を演奏するのは、全て経験者です。このクラブは、初心者が一から参加するサークルとは違うタイプの団体です。メンバーの年齢層として、ほぼ全員が演奏も人生もベテランの域に入った方たちで、その技術は円熟の域に入っています。

 ほとんどが高校や大学の部活動で本格的に腕を磨いていた人です。卒業後に違う仕事に就いてブランクができた人が多いですが、若い頃に習得した演奏技術を生かし卒業後も別の場所で演奏を続けてきた人もいます。稀に30代や40代ではじめてマンドリンに触れた人もいますが、初心者のサークルでは物足りなくなり、よりレベルの高いグループを探したというツワモノです。そんな、いずれも腕に覚えのある人たちが、縁あって、2004年にできたこの場所に集まってきました。

 さらに、このクラブに加え、県内の別のマンドリンクラブにも所属している方もいます。皆、仕事をもちながら趣味の時間の多くを音楽活動に費やしているのです。


 クラブの代表である杉崎さんは、現在、指揮をされています。
 若い頃からギター、マンドリン合奏、吹奏楽、ジャズバンド、合唱団などでの活動経歴があります。また、このクラブの編成に合わせた独自の編曲もされています。
 「編曲者が指揮をするのが自然なのでそのようになった」とおっしゃっていました。
 ただし、編曲・指揮については、ほとんど独学だそうです。その堂々とした指揮ぶりからはとてもそうは思えず、大変驚きました。


 色々な職種、色々な音楽経験をもつメンバーが参加している団体ですが、共通しているのは、アマチュアの枠にとどまらない音楽への打ち込み方と、演奏の質の高さです。

 活動内容は、月2回の練習、年1回の定期コンサート、高齢者施設などへの訪問演奏会が活動の中心だそうです。2019年12月1日の「結成15周年記念コンサート」は、これまでの練習成果を発表する大切な演奏会です。私の取材中も、このコンサートに向けてみんなが燃えている様子がうかがえました。

 
無題
指揮をする杉崎代表
無題
手にマンドリンを持つメンバー
問い合わせ先 鈴鹿マンドリンクラブ 代表 杉崎豊
090-9908-2049
e-mail unohana@re.commufa.jp
ホームページ 鈴鹿マンドリンクラブ公式サイト
取材機関 三重県 環境生活部 文化振興課
津市広明町13
TEL:059−224−2176
FAX:059−224−2408
登録日 令和01年11月30日

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