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みえの文化団体詳細

地域 伊勢・志摩地域
団体名 安乗人形芝居保存会

絵本大功記から
安乗人形芝居保存会芝居

プロフィール 「安乗の人形芝居」は、安乗神社の祭礼に奉納する神賑の人形芝居として受け継がれてきた民俗伝承芸能で、昭和55年に国の重要無形文化財に指定されています。
 この芸能は、文禄元年(1592年)に、豊臣秀吉の海外出兵に呼応して鳥羽港を出た、志摩の国の領主九鬼嘉隆が安乗沖で逆風のため進めなくなり、安乗神社に祈願したところ順風が吹き出し目的地に着くことができたことに対し、お礼参りをした際に、村人が種々の芸能で大歓迎をしたものが、幾多の変遷を経て現在の安乗人形芝居として伝承されています。
 大正末期の不況と昭和初期の戦争により一時中断していましたが、当時の村のリーダーであった坂下喜一さん(保存会初代会長)たちが尽力し、村の切望であった復活を昭和25年に果たしました。
記事  志摩市阿児町の海岸沿いに安乗岬があります。ここの国府(こう)海岸は、打ち寄せる波が高く、全国から多くのサーファーが訪れています。この岬に、鎮座する「安乗神社」は、開運の波に「安」全に「乗」ることを願って、「波乗守」「御朱印」を求め多くの参拝者が訪れています。
 ここで、毎年9月に「安乗人形芝居」が、約400年の時を経て、地元の人々の手で継続されてきています。一時は不況・戦争のため中断を余儀なくされていましたが、地域の人々の切望により「安乗人形芝居保存会」を立ち上げ、昭和25年に復活させることができました。
 芝居小屋は、安政7年(1860年)の建築で、日本で3つしか現存しない船底形舞台の一つです。演者は、「人形遣い」「三味線」「太夫(語り)」の3役があり、一体の人形を3人で操ります。
 芝居を支えるために、現会長の浅井弘之さんをはじめとする「保存会」は、演技の練習をしつつ、舞台・衣装・道具、資料、資金などさまざまな準備や支援に奔走しています。
 これまで地元の安乗小学校、安乗中学校の子どもたちが、学習活動の一貫として協力し、活動を支えてきていました。子どもの減少により学校が統合されましたが、「東海中学校郷土芸能クラブ」として引き継がれ、他地区の生徒も参加してきています。
 会員も高齢化に伴い、若手に世代交代の必要もされてきています。募集をかけてもこれまでなかなか応募がなく困っていましたが、平成30年の舞台では新しく5人が保存会に参加してもらえるようになりました。これで、6体を使って出演させることができるようになりました。
 太夫(語り)や三味線奏者は、15,6年前から桑名から来ていただいたりしていましたが、今は徳島から来ていただいているそうです。
 これまでは、昔から残された衣装を使っており、寄付された新しい衣装を仕立てる裁縫ができる人も地元ではいなくなってきています。
 こうしたさまざまな課題に直面するも、それを乗り越えながら現在まで継承され、毎年9月15・16日に「安乗人形芝居」が行われてきています。 
 境内に張られた大きなテントの下で、地元の人たちの舞踊も挿みながら、野外で月見しつつ心地よい自然な浜風があたるなかの鑑賞です。
 当日は、中学生だけですべての舞台役割をこなしきる演目も発表し、若い力の躍動あふれる演技を見ることができました。
 保存会が永年演じてきた舞台は、それぞれが息の合った熟練された動きで進み、喜怒哀楽の素朴で野趣に富んだ演劇を見ることができます。
 それぞれの舞台でおひねりが撒かれるなどの盛り上がりがあり、地域の人たちが一体となった文化を味わうことができます。
鎌倉三代記から
東海中郷土芸能クラブ芝居
保存会芝居
傾城阿波の鳴門から
問い合わせ先 志摩市教育委員会生涯学習スポーツ課
 0599−44−0339
一般財団法人 志摩市観光協会 
 0599−46−0570
安乗人形芝居保存会 会長 浅井弘之
 〒517−0507 志摩市阿児町安乗1241 
 Tel: 0599−47−3759            090−6766−6406
e-mail  
ホームページ  
取材機関 三重県環境生活部 文化振興課
〒514−8570
三重県津市広明町13
Tel:059−224−2233
登録日 平成30年10月30日

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