木造十一面観音菩薩立像 像高167.5㎝

もくぞうじゅういちめんかんのんぼさつりゅうぞう


木造十一面観音菩薩立像 像高167.5㎝

指定区分

指定種別

有形文化財(彫刻)

指定・登録日

市町

多気町

所在地

多気郡多気町三疋田

所有者

三疋田区

員数

1躯

構造

-

年代

平安時代(後期)
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関連資料

概要

 霊山寺観音堂(れいざんじかんのんどう)の内陣に安置される十一面観音立像2体のうち、向かって右側に安置される像である。
 像高167.5㎝、檜材、一木造。彫眼。頭上の化仏(けぶつ、頭上などに配置される小さな仏)の一部、両足先、両手首先、左右の天衣(てんね)垂下部等は後補。同じ堂内に安置されるもう1体の十一面観音立像(像高178.7㎝、県指定有形文化財)とほぼ同じ像容であるが、他の1体が割矧造(わりはぎづくり)であるのに対し、この像は一木造という古様な造りである。衣の彫り方や重心が低く量感に富んだ体形に、平安前期の名残りを留める。しかしその面相や体形には、力強さというよりもやさしさの表現がめだち、特に穏やかな笑みをたたえた面相の表現は卓抜で、和様化の一段階を示す平安時代後期(10世紀)の優作として注目される。
 霊山寺観音堂の東隣にある空釈寺(くうしゃくじ)に所蔵されている江戸時代の書物「三疋田村霊山寺観音略縁起」には、霊山寺は三疋田村の南の山上に開かれ、そこにこの像を安置したが、参詣に不便なため現在地に移したことが記されている。移された時期は不明であるが、江戸時代中頃には移されていたようである。

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