伊勢国朝熊山経ヶ峯経塚出土品

いせのくにあさまやまきょうがみねきょうづかしゅつどひん


指定区分

指定種別

国宝(考古資料)

指定・登録日

市町

伊勢市

所在地

伊勢市朝熊町

所有者

金剛證寺

員数

1括

構造

-

年代

平安時代(後期)
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関連資料

概要

 伊勢市南東部にそびえる標高約554mの朝熊山(朝熊ヶ岳とも)山頂から、やや下ったところに「経ヶ峯」と呼ばれる尾根がある。その東斜面に形成されたのが朝熊山経ヶ峯経塚である。経塚は、発掘調査の結果43基確認された。
 そのうちの1~3号経塚出土品が当指定文化財で、1号経塚の陶器製経筒1、2号経塚の銅製経筒2・銅鏡2・青白磁合子1、3号経塚の銅製経筒(平治元(1159)年銘)1・経巻13・線刻阿弥陀三尊来迎鏡像(白銅製)2・線刻阿弥陀如来鏡像1・銅提子1・土製外筒1がある。1号経塚の陶器製経筒には「奉造立/如法経亀壱口事/右志者為現生後生安穏太平他/承安三(1173)癸巳八月十一日/伊勢大神宮権祢宜/正四位下荒木田神主時盛/散位度会宗常」の銘がある(「/」は改行位置)。線刻阿弥陀三尊来迎鏡像は鏡面に毛彫で見事な図像を表している。
 経塚は、平安時代末期に流布した仏教の「末法思想」と関係して、各地で造営された。当文化財は、その銘から伊勢神宮の神官による造営であることが明らかであり、当時の埋経が神官層にも及んでいたことを示している。また、線刻阿弥陀三尊来迎鏡像や経筒などは、美術工芸的な価値も極めて高いものである。

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