多度のイヌナシ自生地
たどのいぬなしじせいち
指定区分 |
国 |
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指定種別 |
天然記念物 |
指定・登録日 |
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市町 |
桑名市 |
所在地 |
桑名市多度町多度字八壺1740番地1の一部 |
所有者 |
個人 |
員数 |
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構造 |
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年代 |
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関係サイト | |
関連資料 |
概要 |
イヌナシはバラ科ナシ属の落葉小高木で、日本では愛知県・三重県・岐阜県のみに生育する。標準和名はマメナシであるが、地域名としてイヌナシと呼ばれている。特に三重県内ではイヌナシと呼ばれることが多い。 分布地域が市街地に近いところが多いため、自生地は開発等により分断縮小されるとともに、残された生育地も公園として人為的に管理されているところが多い。実生(みしょう)が安定して確認される自生地はほとんどなくなっており、自然な状態での自生地の維持が困難であることから、絶滅危惧種となっている。特に三重県では、絶滅のおそれが極めて高いとされ、三重県自然環境保全条例により、三重県内のイヌナシ(マメナシ)は、希少野生動植物種に指定されている。 多度のイヌナシ自生地は、多度川中流にある多度峡の南側の丘陵に位置し、周辺は里山の薪炭林として利用されてきた二次林である。その丘陵地内にある溜め池のみどりヶ池に流れ込む、小さな谷にイヌナシの自生地がある。昭和31(1956)年12月に県指定天然記念物に指定された。 その後、経済環境の変化にともない薪炭林としての利用がなくなり、放置されていたが、平成16(2004)年5月にイヌナシが、絶滅のおそれが極めて高いとして三重県指定希少野生動植物種に指定されたことを契機に、地域住民やNPO・行政などが協働して保全活動が始まった。その成果として、成木とともに多数の実生(みしょう)が見られるようになった。日本最大級の自生地であり、自然状態での更新が進むと期待されている。 このように、多度のイヌナシ自生地は、希少なイヌナシの自然状態での更新が期待される日本最大級の自生地として学術的価値が高い。 |
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