猪名部神社 上げ馬神事

いなべじんじゃ あげうましんじ


猪名部神社 上げ馬神事

指定区分

指定種別

無形民俗文化財

指定・登録日

市町

東員町

所在地

員弁郡東員町大字北大社

所有者

東員町流鏑馬保存会(保持団体)

員数

-

構造

-

年代

-
関係サイト
関連資料

概要

 現在、4月第1土曜・日曜に開催される上げ馬神事は、鎌倉時代、建久3年(1192)、員弁郡司の員弁三郎行綱が東員町大木に居城していた時、青年の士気を鼓舞するために流鏑馬神事をしたことに始まると伝えられ、南北朝時代に廃絶したが江戸時代末期に再興し、さらに明治6年(1873)復興され、今日まで伝承されているという。上げ馬神事は、本来神の乗る馬を奉納するものであったが、いつの頃からか坂を駆け上がる形となり、稲作の吉凶を占う(早稲、中稲、晩稲)ようになったと伝えられている。
 当祭礼は、猪名部神社の氏子区域の2地区と、氏子区域外の2地区、計4地区より「乗り子(ノリコ)」と呼ばれる騎手を選出して行われる。祭礼の中心組織は、乗り子を選出しそれを支援する青年団(中卒~23歳、支部長、幹部)と、青年団を終えた中老(24歳~青年団の次の年齢集団、消防団)が深く関わっており、年齢階梯的な社会組織の中で、それぞれの役割分担の機能をみることができる。
 上げ馬神事は、一時中断の時期はあったが、現代でも地区の青年・中老・保存団体を中心とした年齢階梯的な社会組織を維持し地域住民の関心も極めて高く、乗り子の役割、当屋祭祀の一形態、斎戒の観念も堅持されている。
 他にその例が少なく、多度大社の上げ馬神事と猪名部神社の上げ馬神事、双方の行事を照合することによって、当該地域に於ける上げ馬神事の文化を明らかに出来る貴重な民俗文化財ということができ「県指定無形民俗文化財」に価する。

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