太刀 銘 勢州桑名郡益田庄藤原朝臣村正作 天文十二年五月 附 四弁花繋文錦包糸巻太刀拵

たち めい せいしゅうくわなぐんますだのしょうふじわらのあそんむらまささく てんぶんじゅうにねんごがつ つけたり しべんかつなぎもんにしきつつみいとまきたちこしらえ


太刀 銘 勢州桑名郡益田庄藤原朝臣村正作 天文十二年五月

指定区分

指定種別

有形文化財(工芸品)

指定・登録日

市町

桑名市

所在地

桑名市博物館

所有者

宗教法人 桑名神社・中臣神社

員数

2口 附2本

構造

-

年代

室町時代(天文12、1543年)
関係サイト
関連資料

概要

 2口ある。①は刃長75.9㎝、反り3.0㎝。鎬造、庵棟。目釘孔1個。彫物は、佩表鎬地に「春日大明神」とある。②は刃長75.8㎝、反り3.0㎝。鎬造、庵棟。目釘孔1個。彫物は、佩表鎬地に「三崎大明神」とある。2口とも茎部の銘は「勢州桑名郡益田庄藤原朝臣村正作/天文十二天<癸卯>五月日」で、茎部形状は千子派独特の「タナゴ腹」を呈する。
 室町時代に、桑名の刀匠である村正が制作した2口の太刀で、春日大明神(中臣神社の旧称)・三崎大明神(桑名神社の旧称)に奉納されたものである。
 附は、2口とも四弁花繋文錦包糸巻太刀拵で、江戸時代後期頃に制作されたものと考えられる。形態や意匠は2個ともほぼ同様である。
 村正は、美濃国(今の岐阜県)の兼定・兼元、備前国(今の岡山県)の勝光・祐定らとともに、室町時代後期を代表する名工である。。当資料は、3代目村正の作といわれている。村正は桑名を拠点に活動しており、その秀でた作品は、「妖刀村正」としても知られている。
 この太刀は、戦国時代の桑名における刀工の存在を実証するとともに、伊勢国(三重県)における工芸技術の典型的なものである。また、2口の太刀が同時に制作・奉納されたという点で文化史的意味からも価値が高い。

ページのトップへ戻る