トップページ > みえの文化びと > みえの文化びと詳細

みえの文化びと詳細

地域 中勢地域
名前 清水 千佳子(しみず ちかこ)

清水 千佳子さん
清水 千佳子さん

プロフィール 1959年  三重県多気郡多気町に生まれる
1977年  三重大学教育学部入学 美術教育コース(油絵)専攻
1981年  三重大学教育学部卒業 
       卒業後は中学校の美術科教員として勤務
1984年頃〜 動植物画を描き始める
1986年〜 『三重県レッドデータブック2005』(三重県環境保全事業団刊)
        裏表紙イラスト及び書中の挿画数枚を担当
         その他、琵琶湖博物館展示画、大台登山センター展示画、
         京都大学博物館展示画、山野草雑誌に挿画連載など
2011年  30年間勤めた中学校教員を退職
2014年  三重県立熊野古道センターにて、
      「清水千佳子ネイチャーアート展T〜熊野の生きものとその仲間たち〜」開催
       津市アルエンターテイメントスタジオにて、
       個展「ファンタジー ミーツ ネイチャーアート」開催
2015年  菰野町湯の山温泉鹿の湯ホテルにて、
       個展「清水千佳子ネイチャーアート展U〜原画の原画・モノクロームの世界〜」開催      
2017年 7月〜8月いなべ市藤原岳自然科学館にて、
       個展「清水千佳子ネイチャーアート展V〜鈴鹿の山に咲く花とその仲間たち〜」開催
       9月〜10月三重県立熊野古道センターにて、
       個展「清水千佳子ネイチャーアート展W〜熊野に咲く花とその仲間たち〜」開催
       11月三重県松阪市ギャラリーMOSにて、
       「清水千佳子ネイチャーアート展X〜デッサンVS彩色画 ペア展〜」開催予定
記事  清水千佳子さんは、松阪市在住のイラストレーターです。鉛筆、色鉛筆、ペン、アクリル絵具などの画材を使って「ネイチャーアート」とよばれる植物や野生動物を中心とした作品づくりを行っています。
 清水さんのイラストは、線と色彩の両方を生かして描かれており、丁寧に描かれた植物画は、本物を目の前にして眺めているかのような感覚になるほど繊細です。
 
 小さい頃から文章を書くことや絵を描くことが好きだった清水さんは、将来は作家や美術関係の仕事に就くことに憧れていました。
 中学の美術の授業で初めて「デッサン」を体験し、そのとき描いた野球のグローブを美術の先生に褒めてもらったことが、「自分に絵を引き寄せる大きなきっかけになった」と話します。その後、大学の教育学部(美術科油絵専攻)に進み、卒業後は中学校の美術科教員として活躍されました。

 教員生活30年目を迎えた頃、生来の目の病気による視力の低下で仕事を続けることが難しくなり、退職を決断します。ペン先が見えなくなったため、絵を描くことも断念せざるを得ませんでした。
 しかし、教員時代は仕事に子育てにと多忙で自由な時間がもてなかった清水さんは、「もう一度絵を描けるようになりたい」との希望を持つようになりました。
 遠方の病院で診察を受けたり、様々な治療方法を模索したりする中で、転機が訪れます。松阪市内の眼科クリニックにて、検査官の勧めにより、左目は手元(机上)に、右目は遠くに焦点を合わせる矯正方法を選択した結果、机上であれば以前のように再び絵を描くことが可能になりました。

 清水さんが動植物画を描くようになったのは、ネズミやモグラなどの山岳小型哺乳類やサンショウウオなどの両生類を専門に研究されている配偶者の影響が大きいと言います。一緒に山に入り、植物や動物の写真を撮影し、それらを参考資料としながらデッサンから描き上げていきます。

 展示会の会期中に開催される「ライブアート」では、黒の鉛筆でデッサンを描き、複写した上質紙に色鉛筆で色を丁寧に塗り重ねていくという清水さんの手法を間近で見ることができます。「緑一色」をとっても、何種類もの異なる緑色の色鉛筆を使っていくことで、立体感のある作品に仕上がっていきます。

 2017年7月にいなべ市の藤原岳自然科学館で開催された個展では、隣接する菰野町のシンボルであるコモノギクや、紀伊半島に自生するキイジョウロウホトトギスなど、会場周辺や三重県に馴染み深い植物に出会うことができました。

 清水さんの個展は、地元の大人の方はもちろんのこと、子どもたちにも楽しんでもらいたいとの思いから、学校の夏休みや冬休みに合わせて開催されています。「生まれたところ、育った地域に関わりの深い花や動物を描いた作品を通して、身近にある自然を認識し、その魅力に気がついて大切にしてほしいという想いをこめて、展示内容を決めています」と子どもたちを笑顔で出迎えながら話す清水さんの言葉が印象に残ります。

 今後について伺ったところ、「ここ2年ほどは、植物を中心に描いていましたが、今後はしばらく鳥を描いていきたいと思っています。鳥はネズミなどの小型哺乳類とは構造が全く違うので、とても難しいです」と話します。
 11月には、1つの被写体(植物)を同構図で「デッサン」と「彩色画」の両方を並べて「比較」を楽しむ個展が開催される予定です。
 様々な仕掛けで、観る側を常に楽しませてくれる清水さんの活躍から目が離せません。
「ライブアート」の様子
「ライブアート」の様子
清水さんの作品
清水さんの作品
問い合わせ先 〒515−0835 松阪市日丘町1386−17
e-mail tennenfukuuriba@ezweb.ne.jp
ホームページ  
取材機関 松阪地域防災総合事務所
地域調整防災室 総務生活課
電話番号:0598-50-0500
E-mailアドレス:mbunka@pref.mie.jp
登録日 平成29年8月26日

戻る

ページのトップへ戻る