みえの文化びと詳細
地域 | 伊勢・志摩地域 |
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名前 | ササユリの防人 稲葉穂積・美智子
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プロフィール | 昭和44年、農耕地の周りの竹藪を切り拓いていたとき、美しい“ささゆり”の群生を見つけたが、報道によって多くの人が訪れると、乱獲が相次ぎ、絶滅の危機を感じて、保存会の活動を始めた。その後、訪れる人がさらに楽しめるように、休耕田を利用して「夏草花園」を開園。夫妻でさまざまな花木を育てたが、平成12年からラッセルルピナスを栽培し一般公開すると、色鮮やかな花畑に惹かれ 見頃の5月上旬から中旬になると、県内外から多くの人が訪れる志摩市の観光スポットとなった。 |
記事 |
国道167号磯部・鵜方バイパス高塚交差点から、県道16号に入り南伊勢町五カ所方面へ進むと成基小学校近くに稲葉さんの農園「夏草花園」があります。 5月上旬になると、広大な畑にノボリフジとよばれる“ラッセルルピナス”が色鮮やかに咲き、県内外からたくさんの人が訪れるようになった農園です。 “ささゆり”は、初夏に清楚で可憐な淡いピンク色の花をつけ、芳しい香りを漂わせる花です。 磯部町は、以前から“町の花”として「ささゆり」が指定されるほど、自生の花が周囲でも多く見かけられ、土地の人々の誇りだったそうです。しかし、道路開拓や乱獲により、最近では“珍しい花”となってしまいました。 稲葉さんは、林の中でひっそりと咲く清楚な“ささゆり”の群生を見つけたとき、柵で囲み、花を守り育て、訪れる人に自由に見てもらい楽しんでもらいたいと思いました。 平成5年、この“ささゆり”が読売新聞やNHKで全国放送されると、多くの人からの関心が寄せられました。 平成7年に、地域から当初5人の人が集まり、「ささゆり保存会」ができると、近隣にあった「ゆり園」からも協力してくれました。しかし、「ゆり園」が閉館し、地域の人も高齢化してくるなか、結局は夫妻だけで守り続けることになってしまいました。 この“ささゆり”を見に訪れる人をさらに楽しんでいただこうと、9反の休耕田を活かして、花を植えていくことも始めました。 “ひまわり”を植えたり、“睡蓮”や“蓮”“花菖蒲”等を植えたりして、四季折々の花で楽しめるように工夫しました。平成12年から”ラッセルルピナス“を植えると、その光景が評判になり、平成25年に読売新聞の関東版に紹介されました。県外からも訪れる人も急増し、130台収容できる駐車場がいっぱいになる日もありました。 しかし、野生の動物による害もあり、ささゆりや花の苗を抜いて持ち去る心無い人も相変わらず多いことを残念がっています。 稲葉さんの花畑は、入場無料です。できるだけ多くの人に育てた花で楽しんでもらいたい。花を愛する心で接してもらいたい。できれば、共に花を育てる気持ちで関わってほしい。そんな気持ちで入り口に「協力金」として、志を受けるケースが置かれています。種代や肥料代などの運営協力費として受け取ろうという気持ちです。 9月には、地元の磯部小学校の子どもと一緒に、ルピナスの種を播いています。いつまでも地域の人たちからも愛される花農園として続けたい。稲葉さん夫婦の地元への愛着の思いが伝わってきました。 自生のささゆり ルピナス(ノボリフジ) |
問い合わせ先 | 〒517−0217 志摩市磯部町夏草 電話 0599ー55−0298 |
ホームページ | |
取材機関 | 三重県津市広明町13 三重県環境生活部文化振興課 059−224−2233 bunka01@pref.mie.jp |
登録日 | 平成30年9月13日 |