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みえの文化びと詳細

地域 北勢地域
名前 麗明 智翔(れいめい ともか) 本名:藤田 智子

麗明 智翔(れいめい ともか) さん
麗明 智翔(れいめい ともか) さん

プロフィール 箏(こと)十七絃(げん)・二十絃 演奏家
2003年 NHK邦楽技能者育成会 第48期 卒業
2004年 現代邦楽研究所(現:洗足学園音楽大学現代邦楽研究所)研究科 卒業
2004年 ビクター伝統文化振興財団 邦楽技能者育英賞(通称:ニッパー賞) 受賞
2004年 財団法人晃麗邦楽会 生田流箏曲麗明社 大師範 取得 雅号「麗明智翔」となる
2005年 生田流箏曲麗明社『廣翔会』主宰
2006年 三重県文化賞 文化新人賞 受賞
2007年 社団法人東員町文化協会功労賞 受賞

 いなべ市立大安中学校にて箏の授業(選択授業)の講師を4年間務めるなど、東海地域の学校で講師を務める。幼稚園や保育園での子供向けコンサート、学校や病院、結婚式などでの箏生演奏、料亭やカフェ、自治体などの依頼コンサートなど多くの会場で演奏している。また、CTY放送 音楽番組「music JJ」や、三重テレビ「年越しスペシャル2016」などのテレビ出演やラジオのトーク番組など多数出演。伝統と現代音楽を織り交ぜながら独自の新しい音楽を創り上げている。
記事 箏への思い「箏を弾くことは生きること」

 時に力強く激しく、時にはやさしく語りかけるような音色を奏でる、箏(十七絃・二十絃)演奏家の麗明智翔(れいめい ともか)さんは、伝統を大切にしながら新しい音楽も取り入れ、心に響く演奏を目指している。「箏を弾くことは、生きることと同じ。」と、そう語る麗明さんの箏は、自身の心をさらけ出した心の演奏といえる。演奏を聴いた人は、時に涙を流したり、心を開くきっかけになったりすることも多い。麗明さんは、「人生はいろいろある。楽しい時、悲しい時、時には怒り、喜怒哀楽があって当たり前。悲しみを閉じ込めているのは辛いこと。箏の演奏を聴いて少しでも心を動かしてもらえればと思う。」と語り、そう願いながら箏に向き合う姿はいつも真剣だ。
 箏は絃の数の音しか出せない。十三絃なら13の音、十七絃は17の音。麗明さんは、少しの音階で音楽を表現するからこそ、一音一音にかける想いも深くなる。だからこそ、自分の思いや心を込めることができるのかもしれない。自分自身を表現できる楽器が箏だと目を輝かせて語っている。

箏との出会いは早くはなかったが、がむしゃらに学んだ

 そんな麗明さんが箏と出会った時期は、社会人になってからと、早くはなかった。きっかけは、ある団体が箏に使用する箏譜ではなく、主に西洋音楽で使用する五線譜の読める箏奏者を探していたことだった。幼少期から、ピアノやエレクトーンに励んだ麗明さんは、箏をあまり弾いたことはなかったが、挑戦してみようと思った。コンサートまでの半年、ビデオや、よいと思う音源を聴いたりして独学で練習した。その時に、箏の魅力に引き込まれ、さらに学んでみたいと、東京の現代邦楽研究所(現:洗足学園音楽大学現代邦楽研究所)への入学を考え、仕事を続けながら、引き続き独学で箏を練習した。半年後の2001年、みごと同研究所の2年生編入試験に合格した。合格後、会社を退社、上京し修行生活が始まった。
 「箏をはじめて2年目だったこともあり、とにかくがむしゃらに勉強しました。」と、話す麗明さんは、上京した年に、プロの演奏家の登竜門といわれるNHK邦楽技能者育成会の入学試験を受け、1回目で合格し、2002年は、二つの学校に通う日々を送った。2004年には、箏を始めて短期間であるにも関わらず、邦楽技能者育英賞(通称:ニッパー賞)を受賞する。同年、大師範試験にも合格し、雅号「麗明智翔」となった。
 卒業後は、東京と、生まれ育った三重で演奏会に出演するため、三重と東京を往復する生活が始まった。結婚後は、三重県での活動にとどめ、育児、家事と箏の活動の両立をしてきた。子どもが小学生になってからは、演奏活動を全国に再度広げて活躍しているが、拠点は三重県において、家庭も大切にしている。

新しいことへのチャレンジ

 現在、小中学校での公演、依頼コンサート、イベント出演、箏の教室を中心に活動している。単独でのコンサートもあるが、エレクトーン奏者とのユニット「Cotto*」(コット)として出演したり、尺八やギターなどと共演したりもする。
 伝統音楽も演奏するが、「情熱大陸」や、「翼をください」などの皆が親しみやすい曲も演奏する。「情熱大陸」の演奏は、箏と思えない力強い音が心まで響き、「翼をください」は優しく包み込む音色が心を癒す。同じ楽器でも違う音のように感じるのは、独自で弾き方を考え、変えて表現しているからという。
 2015年6月には、箏ソロリサイタル「〜ありがとうを箏の音にのせて〜」を桑名市で開催。今までの感謝の気持ちをコンサートの演奏に込めた。2016年1月には、津軽三味線・箏・尺八・和太鼓の三重県を中心とした和楽器奏者5人組「和楽器クインテット」の一員として四日市市文化会館で開催されたワンコインコンサートに出演。ワンコインコンサート始まって以来の2階席まで満席となる1600人ほどの来場者が、和楽器演奏に聴き入った。
 箏の教室は、東員町1か所、四日市市2か所の3教室でレッスンしている。生徒への指導は、技術など基本を指導することに加えて、うまく弾こうとするより、その時の思いを音にのせることを大切にし、「間違えてもいいよ。今、どんな思いで弾いた?」と、問いかけながら指導している。「辛いことがあったけれど、一歩踏み出してみようと感じた。」や、「思いを音に変えようとすると、集中力も上がり身体が熱くなる。」という生徒の声もあるという。

取材者から「新しいことにチャレンジする中でも変わらない想い」

 伝統を大切にしつつ、新しいものを取り入れ、チャレンジを続ける麗明さんだが、これからの活動を尋ねると、しばらく考えた後、「やはり箏で心を動かしたい。その想いが一番です。」と笑顔で語る目の奥に、芯の強さを感じました。これからも、素晴らしい音色で人々を感動させ、元気づけてくれることと思います。
2013年 CTY放送 音楽番組 「music JJ」ゲストテレビ出演
2013年 CTY放送 音楽番組 「music JJ」ゲストテレビ出演
2015年 箏ソロリサイタル より 二十絃ソロ演奏
2015年 箏ソロリサイタル より 二十絃ソロ演奏
問い合わせ先 Tel:050-5308-5026
e-mail koto.reimeitomoca@gmail.com
ホームページ http://reimeitomoca.wordpress.com
取材機関 桑名地域防災総合事務所
地域調整防災室
TEL:0594-24-3821
Mail:wchiiki@pref.mie.jp
登録日 平成28年6月30日

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