指定区分 | 国 |
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指定種別 | 重要文化財(絵画) |
指定・登録日 | 1949(S24)年5月30日 |
市町 | 伊勢市 |
所在地 | 伊勢市宇治館町 |
所有者 | 宗教法人神宮 |
員数 | 1巻 |
構造 | - |
年代 | 鎌倉時代(後期) |
関係サイト | - |
関連資料 | - |
縦32.3㎝、横1272.1㎝、巻子装。もとは上下2巻あったが、上巻は早くに散逸し、下巻のみが残る。鳥子紙28枚を継いだ巻子本である。表紙は金襴、見返は金霰地で黒木の軸がつく。 「伊勢新名所絵歌合」とは、伊勢神宮近隣の景勝地10ヵ所を選定し、春・夏・秋・冬・恋・雑に分けて風景を描き、それを歌題として催された歌合の記録である。参加者には、神宮祭主藤波定忠、禰宜荒木田尚良などが見える。歌合の判者は冷泉為世、歌の筆者は冷泉為相、絵画は土佐派の藤原隆相と伝えられ、本図は鎌倉時代中期の第一流の画家と歌人の合作といえる。参加者等の在職期間から、本図の制作は永仁3(1295)年頃と考えられている。 下巻には「藤波里」(春)、「河邉里」(夏)、「岡本里」(秋)、「三津湊」(恋)、「大沼橋」(雑)の五景がおさめられている。「藤波里」では神宮祭主・大中臣氏の館が描かれ、そこで働く人びとや調度品が詳細に描かれている。「三津湊」では内水面を通る小型の船舶が描かれている。絵図の描かれた場所は概ね現地比定ができる。本図は、文化史的な意味のみならず、鎌倉時代の自然風景、当時の高級住居や人びとの生活の様子などがよく窺われる好資料である。 |