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俳句のくに・三重
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三重県内の句碑一覧
地域から探す: 伊賀
升かふて分別かわる月見かな
きてもみよ甚べが羽織花ごろも
さまざまの事をおもひ出す桜かな
草いろいろおのおの花の手柄かな
古里や臍の緒に泣くとしのくれ
冬籠りまたよりそはん此はしら
家はみな杖に白髪の墓参り
数ならぬ身となおもひそ玉祭り
落る身を花に啼入る鵠哉
花やかに咲いてさびしき冬桜
一すぢの俳系守里て翁の忌
白菊に仁そそぐなりはつしぐれ
初さくら折志もけふはよき日なり
初詣芭蕉立志の祈願宮
鈴が緒にすがる祈りごと初詣
粧へる伊賀の山並み鉾進む
とこしへに芭蕉のかげにうまいせん
御僧のまきつ希帯や萩の花
新藁の出初て早き時雨哉
はぜ釣るや里は布織る機の音
古池や蛙飛びこむ水の音
よくみればなずな花さく垣ねかな
卒度往て若菜適まばや鶴の傍
かろき身の蝉は子もなし親もなし
若水の玉とまろふをふゝむなる
みのむしのねを聞きにこよくさの庵
畠うつ音やあらしのさく良麻
手ばなかむおとさへ梅のにほひかな
知る人のあるかや伊賀の贅唄
切通し多羅尾寒風押し通る
月ぞしるべこなたへ入らせ旅の宿
草臥(くたびれ)て宿かる比や藤の花
秋の夜山車には丸太食させて
雁来ればすぐ初霧や伊賀盆地
舞ふ蝶のあまたのなかの柿の蝶
鳥ゆき鳶ゆきもとの凧の空
行年の伊賀の尋ねん古俳譜
逢ふ人の皆親しさや初詣
やがて死ぬけしきは見えず蝉の声 こえに皆鳴しまふみや蝉のから
うぐひすの笠おとしたる椿哉
春なれや名もなき山の薄霜
雲とへだつ友かや雁の生きわかれ
野ざらしを心に風のしむ身かな
古池や蛙とびこむ水の音
旅人と我名よばれん初しぐれ
俤(おもかげ)や姨ひとり泣く月の友
行く春や鳥啼魚の目は泪
閑さや岩にしみ入る蝉の聲
此秋は何んで年よる雲に鳥
行秋や手をひろげたる栗のいが
旅に病んで夢は枯野をかけ廻る
高水に星も旅寝や岩の上
五月雨も瀬ふみ尋ねん見馴川
人の心見ゆるさくらの透もかな
蛇食ふと聞けば恐し雉の声
志ぐるるや田のあらかぶの黒む程
まぎれなく今鳴きたるもほととぎす
蝶々も入交りしてあとや先
一里は皆花守の子孫かや
散るをもて花の語ると覚えたり
香に匂へうに掘る岡の梅の花
打ちならび月見るやうな森二つ
城跡や何やらゆかし菫(すみれ)草
はつ真瓜(まくわ)たてにやわらん輪にやせむ
君火をたけよきもの見せむゆきまろげ
春なれや名もなき山の朝がすみ
一里はみな花守の子孫かや
ひごろにくき鳥も雪の朝かな
凩(こがらし)に匂やうけし帰り花
老いの名のありとも知らで四十雀
目にかかる雲やしばしの渡り鳥
影待や菊の香のする豆腐串
ひばり鳴く中の拍子や雉子の声
両の手の吾か子よその子地蔵盆
やまさとはまんざいおそし梅の花
旅がらす古巣は梅になりにけり
山吹や笠にさすべき枝の形(なり)
名月に麓の霧や田のくもり
木のもとに汁もなますも桜かな
時雨をやもどかしがりて松の雪
杜若(かきつばた)にたりやにたり水の影
月ぞしるべこなたへ入らせ旅の宿
川上とこの川しもや月の友
世を旅に代かく小田の行き戻り
みな出て橋をいただく霜路かな
花を宿にはじめおわりやはつかほど
五月雨も瀬ふみ尋ねん見馴川
一声は柘植の在所へほととぎす
蕎麦はまだ花でもてなす山路かな
早稲刈りにそばへか通り虹が出し
鴬やむかしを問へば風の音
草いろいろおのおの花の手柄かな
地を這うが如くに媼籾を干す
初しぐれ猿も小みのをほしげ也
初しぐれ猿も小みのをほしげ也
木馬道猿が拠るてふ栗つぶて
丈六に陽炎高し石の上
発願の目に明王の大桜 心にて泣きつつ山の笑ふべし
からかさにおし分見たる柳哉
枯芝やややか希ろふの十二寸
古郷や臍の緒になくとしの暮
まゆはきを俤にして紅粉の花
藪椿門は葎のわか葉哉
梅若菜丸子の宿のとろろ汁
苣はまだ青葉ながらに茄子汁
両の手に桃と桜や草の餅
しほらしき名や小松吹萩すすき
蓑虫の音を聞かばやとこの庵
鰯雲女がゆえに耳朶を染む
俳聖を育てし山河風薫る
咲きふゆる花にしぐるることも伊賀
花の疎となりゆくさまを惜しみけり
鷹の巣や太虚に澄める日ひとつ
地を鎮め国を鎮めの苔の石
月添ひてかなしさこぼる萩すゝき
市人や此傘の雪売らふ
村人は鮎つり夕べつる
よきお能ここをもととすひばりかな
香に匂へうにほる岡の梅の花
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