みえの文化団体詳細
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 地域 | 東紀州地域 |
| 団体名 | 海山郷土史研究会 |
| プロフィール | 旧海山町(現・紀北町海山区)の郷土史をより深く研究し、後世に伝えられる人間を育成する場を作るという目的で、昭和55年11月、会長の國分征出夫さんと二名の有志により、海山郷土史研究会を発足。町史や古文書など、過去の書物を元に、実際自身の足で現地へ赴き、自身の目で見て確かめるということに重きを置いている。 会長 國分征出夫(コクブソデオ) 会員 18名 主な活動 例会 (毎月第3土曜日) 現地調査・視察 年に数回 機関誌 『封コウ※(ホウコウ)』発行 ※コウは土へんに候 |
| 記事 | 「自分たちの身体、五感を使って郷土史を研究する」 「証拠を提示した上で郷土史を語る」 これは、海山郷土史研究会のみなさまの共通の言葉です。 海山郷土史研究会は、地元海山町(現・紀北町海山区)の郷土史に対する強いこだわり、そして情熱を持ったパワフルな人たちが集まり、今から28年前の昭和55年11月に発足しました。発足に関わったのは、現在の会長、國分征出夫さんと他有志2名。発足の前年、昭和54年4月から10月にかけ、海山町で「海山郷土史文化めぐり」という季節限定の講座が開催されましたが、10月に終了後、翌年55年にも同じような講座が同じような流れで開催されました。せっかく半年かけて学んだことをその年に終えてしまい、さらに半年後同じことをするというローテーションに疑問を持った國分さんが、同じく郷土史に興味があった仲間2名と共に「本当に興味を持つ人が継続的に勉強できる組織ができないか」と考えたのが発足にいたる大きなきっかけでした。 発足後、毎月1回例会を開き、年に数回の現地視察、調査、踏査を行ってきました。その調査対象の時代は、新しいものでは昭和など、「ついこないだ」といえるものから、古いものでは縄文時代までにも遡ります。「太古の地質を知ることで、自分たちが生活している場所がどのように成り立ったのかがわかる」と、國分さんは話します。調査分野も、熊野・西国巡礼、近代の生活古道、狼煙場、神社仏閣、祭りなど多種多様。また、郷土史を勉強する上で古文書の読解力は必要不可欠と、海山郷土史研究会の何人かで海山古文書研究会も立ち上げました。 <体を使い、自分たちが納得いくまで調べる> 海山郷土史研究会では、「~に違いない」「~と言われている」という言葉で終わることを好まず、言い伝えやうわさが真実なのかを自身で確かめるため、文献や古文書を解読し、そして実際にそのような場所、ルーツなどがあったのかを見るため、現地まで赴きます。郷土史を伝える以上、自分の目で確かめて納得したこと、そして証拠となるものが無ければならないという考えが会員全員に共通しています。そんな彼らが行う現地調査も、半端ではない思いを持った人たちならではのユニークなものでした。いくつか紹介していただいた中でも印象的だったのが、江戸期に熊野街道を通行した巡見使について述べられた道中記の行程を実際に歩いたものです。果たしてこの行程が可能なのかを疑問に持った会員同士がそれを実証するため、当時に近い状態で本陣の置かれていた海山区永泉寺から尾鷲市三木里の法然寺まで歩きました。この間の距離は約25kmあり、中に馬越峠と峻路八鬼山越えを有します。海山全域と尾鷲市の一部に関しては行く場所はもうないというほど調べ尽くし、海山町と尾鷲市の境を走る尾根上に位置する小山狼煙場跡と、魚飛渓の奥に位置する交易古道「塩の道」沿いに残る道標地蔵は、海山郷土史研究会の提案により、町の指定文化財になりました。メンバーの中には化石や土器、古代の地層など、地質、考古学分野に興味を持つ人も多く、例会や現地調査の合間を縫って化石発掘にも出向いています。これらの発見が、太古の地形や生活様式を知るうえで欠かせないといいます。 <郷土史を通じて> 國分さんと会員17名が、ここまで深く、確実に郷土史を勉強する理由はひとつ、「地元が好きだから、地元の良さを伝えたい」。愛する地域だからこそ、自分たちが良しと思うまでは徹底的に追及するという姿勢が國分さんの話からひしひしと伝わってきました。海山郷土史研究会が発足する以前から郷土史を勉強していた國分さんは、あらゆる史実を知る最後の人物ともいわれる長老の話を聞き、そういった人に古文書の読解方法などを教わったとのことです。そのとき、「この人がいなくなれば、このことを伝えられる人がいなくなる」とたびたび危機感をつのらせ、自分が伝える側にまわらなければという考えが國分さんにはあったといいます。そんな思いと郷土愛が重なった結果が、海山郷土史研究会の活動内容そのものではないのかと感じます。 海山郷土史研究会のこれまでの研究・調査結果は、機関誌『封コウ(ホウコウ、コウは土へんに候)』に掲載しています。『封コウ』は、現在で20巻になります。 |
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| 登録日 | 2008/10/02 |