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尾中 鋼治、尾中 茂樹

項目 内容
地域 東紀州地域
名前 尾中 鋼治、尾中 茂樹
プロフィール <尾中 鋼治さん>         
昭和7年11月1日生まれ
熊野市森林組合理事
三重県認定指導林家
グリーンボランティア森林づくり三重 尾鷲・熊野支部長
東紀州まちかど博物館「かやの木資料館」館長
<尾中 茂樹さん>
昭和34年12月4日生まれ
熊野市五郷町湯谷在住
記事 林野庁所管の国土緑化推進機構が認定している「森の名手・名人」の一人に、平成20年度、尾中茂樹さんが選ばれました。父親の鋼治さんは平成15年度に選ばれており、親子での認定は全国初です。「森の名手・名人」は平成14年度に発足した制度で、森に関して優れた技を極め、他の技術者の模範となっている達人(毎年100人)に贈られる称号だそうです。茂樹さんは父親の鋼治さんから受け継いだ「なすび伐り(ぎり)」と呼ばれる伝統的な伐採法と、それに伴う山林の管理が評価されました。
 
 「なすび伐り」は、「なすび選り(すぐり)」とも言われ、熊野市北部に位置する五郷、飛鳥地区でかつて広く行われてきたもので、よく育った優良木を伐採する伝統的な伐採方法です。野菜の「なすび」の収穫のように大きく太く実ったものから切り取っていくのでそう呼ばれているそうです。
 育ったものから選んで伐っていくので、山が荒れず土を保護するために、地力の低下を引き起こすことなく高級な材を生産することが出来ます。また、森林環境の保全が可能なことから各方面から注目されており、全国各地から林業関係者が視察に訪れたり、学生が見学に訪れたりしています。
 「大変なことは何ですか?」という学生の質問にたいして鋼治さんは、「木材の価格が低迷していることが大変です。それから、後継者をいかに育てるかが今の課題で頭の痛い問題です。熊野はこんなに山ばかりなのだから、山の仕事で生活していける状態になることがこの地域が活気づくことになります。」とも話されていました。
 また、鋼治さんは熊野で唯一「立ち(たち)皮剥(かわはぎ)」という伝統的な杉皮の剥ぎ方を行うことができます。昭和30年代頃まで熊野地方の民家は杉皮屋根の家が大半でした。その杉皮を取るために始めたのが「立ち皮剥」です。立った(立ち木)ままで皮を剥ぎとる方法で、「皮剥包丁」できざみを入れた部分に縄を結んで「かるこ」という足場をつくり、その作業を繰り返しながら上に登って行きます。それから、適当な高さで「ハギ棒」を使って皮を剥ぎ始めて下に降りていきます。こうすると倒木してから杉皮を剥ぐよりも剥ぎやすいし傷もつきにくいのだそうです。
 鋼治さんは現在76歳ですが、軽い身のこなしでするすると木を登っていきます。「かるこ」を登ることが初めての人にはまず出来ません。
 最後に鋼治さんは、「熊野地方の約8割は森林です。若い人たちにもっと自分達の熊野の山や林業について知って欲しい。そのためには呼ばれたら学校などにも出張講演をしてもよい。」と話されていました。

※ 尾中家旧宅(まちかど博物館「かやの木資料館」)の庭に堂々と立っている樹齢約300年のかやの木は、熊野市文化財・天然記念物に指定されています。
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登録日 2008/11/28