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藍染工房「そめやなないろ」 藤本 弘二、藤本 香雅

項目 内容
地域 東紀州地域
名前 藍染工房「そめやなないろ」 藤本 弘二、藤本 香雅
プロフィール 藤本弘二さん
1962年2月大阪生まれ
藤本香雅さん
1962年12月東京生まれ

弘二さんが上京し、音楽活動を通して香雅さんと知り合う。
1991年 奈良県吉野郡十津川村七色に移住、草木染めを始める
1992年 藍染工房「そめやなないろ」開業
2001年 三重県熊野市神川町柳谷に引越
記事 <本藍染を始めたきっかけ>
1990年にバンドのツアーが京都で終わった後、温泉に入るため十津川村に出かけましたが、そこで台風19号に遭い足止めされました。その滞在中に、土地の人たちと知り合い、空き家を貸していただくことになり、即移住することを決意しました。決め手は、都会育ちだったので山暮らしがしたかったことと、かまど付きの家だったことです。
 移住後、周囲の山に囲まれてゆっくりしている時に、沢山ある草木で染め物が出来ないかと思いつき、草木染めをしてみました。草木染めをしていて、一番洗濯に強いのが藍染めでした。それが本格的に藍染めを始めたきっかけです。
 自分達で染めていた時は、原料の配合割合が難しく試行錯誤を重ねていましたが、徳島県板野郡板野町のすくも師〔※〕(無形文化財)を訪ね「藍建て」(藍の仕込み)を一緒にさせてもらって、やり方を学び本格的に本藍染めをすることにしました。
 その後、瓶(染料を入れる瓶)を大きくしたいと思い、水の綺麗な三重県熊野市の神川に移ることにしました。ここには熊野の恵み豊かな山・川・海があります。自然とともに生き、自然と一体となる感覚は何ものにも代え難く、人間の本来有るべき姿が見えてきたような気がしています。
<本藍染の特徴>
 本藍染は、藍、木灰、消石灰、日本酒、水あめを使って醗酵させて染めます。現在の染色の主流は、苛成ソーダ(水酸化ナトリウム)とハイドロサルファイトを使っています。
本藍で染めたものは、微生物の力で醗酵させて染めているため、製品になってからも微生物は布に残っており、「生きている」と言えます。大昔から日本人が行っていたことをやっていたら間違いないのではないか、自分たちは本物の藍染をしたい、日本の伝統を守りたいと思いました。
<苦労した点など>
 苦労した点は、少量の原料では染めることが難しいことです。それと、木灰が大量に必要ですが、最近は家庭でかまどを使って生活するところが珍しくなってしまいました。そのため自分達もかまどの生活をして木灰を作ったり、炭焼きをしている方から貰ったりしていますが、なかなか染めに使うだけの量が集まらないということです。どうしても足らない時は、すくも師に送ってもらったりもしています。
 嬉しい事は、自分達の作品を見てくれた方が共感してくれることと自分なりにその作品から色々なイメージを膨らませてくれることです。
 
<インタビューを終えて>
藤本さん夫婦の作品は市価の約半分で販売していますが、「そんなに安くすると、本物じゃないと疑われるよ」と言われたこともあるそうです。藤本さん夫婦は「できる限り低コストで藍染を皆に使ってもらいたい、日本の伝統文化である本藍染めの心地良さを広めたいという気持ちが強いためそうしているんですよ」と微笑んでいました。
 また、藤本さん夫婦はアコースティックギターデュオ「NANA-IRO」
としても活躍しておりこのたび、アルバム『Sense of Heart 』をリリースしました。
染色でも音楽でも共通のテーマは「共感」。お客さんとの心の交流を大切にしたいと話しています。
 
 2008年6月 熊野の本藍染展(紀南ツアーデザインセンター)
 2008年7月 藍染工房そめやなないろ展「藍の音色」(三重県立熊野古道センター)
が開催され、大勢の来場者が本藍染めと藤本夫婦のお話を楽しんでいました。

※すくもとは、蓼藍の葉に水を打ち、100日かけて発酵させた藍染めの原料です。すくもを作る人をすくも師と言います。
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登録日 2008/07/25