資料詳細
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 文化財名 | 木造深沙大将立像 |
| 附名 | もくぞうじんじゃだいしょうりゅうぞう |
| 指定区分 | 県 |
| 指定種別(詳細種別) | 有形文化財/彫刻 |
| 指定・登録日 | 2017/02/02 |
| 市町 | 鈴鹿市 |
| 所在地 | 鈴鹿市稲生西2丁目8番16号 |
| 所有者 | 宗教法人 神宮寺 |
| 員数 | 1軀 |
| 構造 | 総高114.8cm,像高104.7cm 髪際高90.1cm,頂-顎27.7cm,面長14.0cm,面幅12.4cm, 耳張14.8cm,面奥16.6cm,胸奥15.9cm(左)15.9cm(右)、 腹奥17.2cm,足先開36.0cm(外)24.4cm(内) 台座部幅46.9cm,台座部奥46.9cm |
| 年代 | 平安時代(後期) |
| サイト | |
| 概要 | 総高114.8cm,像高104.7cm。針葉樹材、一木造、彩色。頭頂から台座まで針葉樹の一材より彫出し、これに右手先、左肩より先、左足先の各部材を寄せている。台座部は用材の丸太をほぼそのまま使用するが、内刳(うちぐり)は無い。表面は現状で素地を呈しており、彩色は下地を作らず素地にほぼ直接施したとみられる。全体の仕上げは鑿跡を残し、特に右腕や背面、膝下には丸鑿の痕跡を明瞭に残す。全体的に怪異な姿に仕上げており、重厚な印象を与える。 頭髪を逆立て、目を大きく見開き、眉尻は吊り上り、下顎から牙2本を生やす。胸元の瓔珞(ようらく)として、6個の髑髏(どくろ)が連なる首飾りがあしらわれ、腹部中央には童子相(どうじそう)の人面を彫出する。両膝上には獣面をあしらった袴(はかま)を着し、その上から腰布を巻く。顔を正面に向け、腰をわずかに右にひねり、左足を軽く外に踏み出して立つ。左手は斜め下方に真っ直ぐに伸ばして掌を前に立て、右手は肘を曲げて胸部の右横で掌を前にして立てる。両手先、左足先は後補(こうほ)であり、鼻先にも小材を寄せる。現状では口に咥(くわ)えている小蛇も後補とみられる。深沙大将に蛇を咥える図像は知られず、むしろ蛇を手にする例が多いことから、本作もかつて蛇を手にしていた可能性がある。台座周辺を中心に虫損がみられ、背面から臀部(でんぶ)右寄りに目立つ干割れがある。 本像は、平安時代にさかのぼる数少ない深沙大将の作例のひとつとして、全国的に見ても貴重な作例である。図像的には岐阜・横蔵寺像や大分・高瀬石仏像などと並び、平安時代に流布したと伝える唐本の系譜をひく。また表面に鑿痕を残すこと、頭頂から台座までを一続きの丸太から彫出し、台座に丸太の形状をそのまま活用することは、本像の著しい特徴であり、今後、平安期の深沙大将への信仰の様相を明らかにする手がかりとなる可能性を秘めている。 本像は、神宮寺に伝わる男神坐像との制作年代が近い。また、伊奈冨神社境内地の作庭にみる大規模整備と造像が概ね期を一にする点でも、奄芸(あんき)郡やその周辺を含めた古代~中世期の地域史を語るうえでも重要である。 以上のように、本県の彫刻史、文化史上からみても意義のある資料であり、題材や制作技法のうえでも顕著な特異性を示している。また、造像と地域開発からみた当該地域史の特徴を示すうえでも、本像の存在は重要であると考えられる。 |