資料詳細

絹本著色 大威徳明王像

項目 内容
文化財名 絹本著色 大威徳明王像
附名 けんぽんちゃくしょく だいいとくみょうおうぞう
指定区分
指定種別(詳細種別) 有形文化財/絵画
指定・登録日 2014/01/23
市町 津市
所在地 津市大門
所有者 大宝院
員数 1幅
構造 縦114.0cm×横63.5cm
年代 室町時代
サイト
概要  縦114㎝、横63.5㎝、掛幅装。海中を疾駆する牛の背に、六面六臂六足で立つ大威徳明王を描く。大威徳明王は、通常は牛に坐った図像で表されるが、中世以降には本図のような立像で描かれる例が現れる。大威徳明王は、五大明王の一尊として扱われるほかに、単独でも大威徳法の本尊とされた。戦勝祈願への強い思いが、こうした図像を支持していたと想定されている。
 本図の画面は1枚絹からなり、尊像は伝統的な手法で彩色豊かに描かれる。六臂の持物は、右第一手に宝棒、第二手に箭、第三手に剣、左第一手に蛇、第二手に弓、第三手に三叉戟となり、胸に髑髏の瓔珞、冠にも髑髏飾りを着している。着衣文様や装身具は金泥で表されているが、弓の弦など一部には截金線もみられる。牛の面構えや海波の表現には勢いがあり、制作目的を反映した描写となっている。
 もとの裏面に記されていた銘が書写されている。内容は、「古表具裏書冩/永禄五壬戌歳八月十五日現住長政之印 六大院長實代寄附之/寶暦七丁丑年三月十三日長辨上人修覆之□/□后及破壊嘉永元年孟夏日當院時之院代大願寺良貞再修補之畢/嘉永元戊申年仲夏日 大寶院現主本長誌之」とある。永禄5(1562)年に六大院(大宝院の前身)に寄附され、宝暦7(1757)・嘉永元(1848)年の2回にわたり、修理されたことがわかる。本図は、銘に見える永禄5年からさほど遡らない時期の制作と考えられる。
 県内では珍しい大威徳明王の立像として、また、中世の密教文化を知るうえで貴重なものである。