資料詳細

馬形埴輪(石薬師東古墳群63号墳出土)

項目 内容
文化財名 馬形埴輪(石薬師東古墳群63号墳出土)
附名 うまがたはにわ(いしやくしひがしこふんぐん63ごうふんしゅつど)
指定区分
指定種別(詳細種別) 有形文化財/考古資料
指定・登録日 2003/03/17
市町 明和町
所在地 多気郡明和町竹川503
所有者 三重県(埋蔵文化財センター)
員数 1点
構造
年代 古墳時代中期(5世紀末)
サイト
概要  平成5年度から8年度にかけて、鈴鹿市石薬師町字寺東に所在する石薬師東古墳群において、三重県消防学校の設備整備に伴い三重県埋蔵文化財センターが実施した発掘調査により直径約15.0mに復元される63号墳の周溝から出土したものである。 
 本品は出土時には破砕した状態だったが、現在は全体が復元されている。全長が復元された尾部まで含めて約108cm、総高は81cmあり、馬形埴輪としては現在規模の知られるものの中では本県最大のものである。 
 本品の最大の特徴は頭部の被りものないしは垂らしたたてがみといわれる装飾で、頭頂部から後頭部に断面山形に粘土板を被せて全面に鋭利な工具により縦方向の沈線を施している。馬の表情も眼窩の上部をわずかに膨らませてやや憂いをたたえた写実性の高い表現となっている。馬具も直弧文風の線刻を持つ鞍、環状鐙、馬鈴を付したf字形鏡板、剣菱形杏葉や胸繋、障泥、雲珠、手綱などは、当時の実際の馬具を忠実に模しており写実性の高いものである。 
 本品のような頭部の意匠は、本県ではこれまでに知られている23点の馬形埴輪だけでなく、全国的にみても類例のないもので、その意図するところは現在も不明ではあるものの、極めて独特の装飾であることは間違いない。しかしながら、本品はそうした未解決の問題をおいても馬具類などの装飾や馬の表情などの技法、また全体のプロポーションなど、写実性や埴輪製作技術の上でも極めて優れたものといえる。 
 三重県内では、平成8年度に松阪市常光坊谷4号墳出土埴輪を県指定有形文化財としているが、本品は北勢地方のみならず、三重県の古墳文化を代表する文物として高く評価されるものであり、県指定有形文化財にふさわしいものである。