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三重の文化

平成19年度第3回新博物館のあり方部会結果概要

日時 平成19年10月23日(火曜)13時から16時
会場 三重県水産会館 4階 研修室

1 要旨

平成19年10月23日午後、三重県水産会館4階 研修室において、第3回新博物館のあり方部会を開催し、博物館のあり方に関する基本的な考え方について、審議を行いました。

2 内容

13時00分~13時10分 これまでの経過と今後の検討スケジュールの確認
13時10分~13時20分 議会第3回定例会の状況と県民意見交換会の結果報告
13時20分~13時50分 県外博物館の取組等事例紹介
13時50分~16時00分 意見交換
               論点1「博物館のあり方に関する基本的な考え方」の検討
                について
               論点2「今後検討すべき事項」の整理・検討について

県外博物館の取組事例等紹介 審議のようす
審議のようす

3 委員から出された主な質問・意見・感想

(1)県外博物館の取組事例等紹介について

  • 長崎歴史文化博物館は、民間の展示業者が指定管理者になっているとのことであるが、展示業者とはどのような業務を行っている業者なのか。また、他の指定管理者制度導入館にはどのような業者が入っているのか。
  • 長崎歴史文化博物館の場合、県と市により設立された博物館であるため、資料を調査する場合には県と市それぞれに手続きをしなければならず、さらに指定管理者の業者と三つ巴の状態となっている。その他の指定管理者制度導入館でも、職員の雇用条件などから継続性に問題が見られる。しかも民間である以上、利益追求型となるが、それで博物館活動としてよいのかどうか、考える必要がある。
  • 三重県立博物館のように、どうにもならない状態までなり、建設がなされた例はあるのか。それがどのように展開されていったか事例があれば知りたい。
  • 三重県立博物館は、博物館法が制定されてから間もなく開館した全国でも初期の博物館である。現在このような状況になっているのは、あまりにも早い時期に建てられたからという側面もあるかもしれない。

(2)「博物館のあり方に関する基本的な考え方」の検討について

  • 観光集客型となると、大きなハコモノを作り企画展に注力して客を集めることになると思うが、大変なコストと人が必要で、危険なやり方であり、相当な覚悟がいる。
  • 三重県立博物館の状況は収蔵資料が28万点と他の県立博物館と比べても多いと思う。その中身についてどういう性格のものがあるのか、どういう割合であるのか、しっかり把握するとテーマも出てくる。「三重県の自然と歴史・文化」という現在の県立博物館のテーマは今後も継続すべきものなのかどうか。テーマの設定が県内の方だけでなく県外の方にもフィットすれば結果として集客にもつながる。
  • 常設展示が古くなっていてはリピーターの確保が難しい。固定的な常設展示でなく小さな企画展をいくつか併設するやり方ができないか。歴史や自然、文化などいくつかのテーマの展示を行い、それらを見ることにより、三重県はこんなところだとアイデンティティが浮かび上がるような博物館にできると思う。この方法だと学芸員は大変だが、経費としては県内の収蔵しているものをメインにしてやればさほどかからないし、県民が参加しやすい参加型の展示活動も必然的に生まれてくるので、アクティビティ(活動性)も高まるのではないかと思う。
  • 今までの博物館のイメージは県民から遠い存在だったが、これからは県民に溶け込んでいかないといけない。博物館の存在が地域を活性化していくひとつの材料となるべきである。研究・収集だけでなく、県外の人が来る博物館、人を連れて行きたいと思うような博物館であるべき。もし「観光」を強く出すならそういう場所に設置しないといけない。県民利用重視型か観光集客型かといった二者択一ではなく、本来、県民利用重視であるが、それが地域振興になり、観光にも高めていける要素のある博物館でないといけない。
  • 従来の三重県立博物館でも地方で出前展示をして、地域の博物館と合同してやってきた。しっかり自前の収蔵品を把握し小さい企画展をしていくべき。それはこれまでも三重県立博物館ではやってきた実績があるので得意ではないか。
  • 県立博物館は情報収集のセンター的役割を担うべき。真珠を知りたい人がいれば真珠博物館へ、本居宣長に興味がある人がいれば本居宣長記念館を紹介するような、情報収集・発信の中心的機能を果たすべきではないか。
  • 県立博物館にはたくさんの収蔵品があるし、大人にも子どもにも楽しめるものもたくさんある。展示会を開くとき興味をもてるようなアイデアで企画すべき。そうすれば、学校や子どもたちもたくさん来る。県外からも来てくれるかもしれない。三重県はとても暮らしやすいところで、遺跡もたくさんある。当たり前のように感じているが、そうではない。三重県の特徴・財産をちゃんと知って発信できるような博物館であって欲しい。
  • 常設展示について、何年かごとで変わっていくという考え方は面白いが、小学生などの子どもを対象とした(学校利用を考えた)とき、常設展示も残して、1年生から6年生の間のうちに少なくとも1回は見れるような形をとっておくべきではないか。三重県の文化、県民愛を育てるところを定期的に子どもたちがきちんと見れるようにするのが大切ではないか。
  • 情報の拠点であろうとするなら観光型より地域に根ざしたものとすべき。企画をしっかりやれば、県外からも客が来てもらえる。
  • 他県の例で、集客人数について、県内・県外で内訳を区分できたら、もう少し分析が深まるのではないか。特に県内の来館者をたくさん集めている博物館のしくみは参考になるのではないか。
  • 県民利用重視型が一番大切だと思う。県立であるからにはリーディングミュージアムであるべきで、組織・考え方も含め市町・民間の博物館等との連携をやりながら、いい企画でいい展示をやり、情報発信もやり、それを継続的に学習する機会に結び付けるような活動にすればいいのではないか。
  • 持っている28万点の収蔵品にはいろいろな価値のものがある。県だけでなく民間、個人で持っているものもたくさんある。そういうところとうまくつながりをつけていけば組み合わせによって興味深いディスプレイができるのでは。
  • 今まで教育委員会で博物館も美術館も管轄してきたが、来年度からは文化芸術分野と一緒にやっていくことになった。文化の分野と教育の分野は密接であるし、文化活動の中核を担うインストラクター的役割を果たしている方にも教員が多い。教員が相当数採用されるが、その中に学芸員資格を持った職員が何人いるか。その採用なども新しい組織の中でどう連携をとっていくのか大事。
  • 県民学芸員のアイデアが出ているが、専門的、研究者的のものとは別に、文化のサイドからも博物館の行事に参加するとか、博物館を見たことによりサポーターになるという形で広めていければと思う。三重県にも文化に関る活動をしている組織はたくさんある。そういうところと密接に連携をとり、博物館が文化振興の拠点として大きな役割を担うべき。人々に博物館に積極的に関心を持ち、協力していってもらうことを今から時間をかけてしていかねばならない。学芸員にしても二桁以上の数の人が必要だが、これらの人も相当期間をかけなければ揃わない。計画的に学芸員なり研究連携なりに取り組むことも必要。
  • 「県民利用重視型」と「観光集客型」との二者択一化するのはどうか。設定の仕方をもう少し違う言葉でできないか。県民を含め、多くの人が来てくれるような、身近な博物館になる必要がある。
  • 博物館のスタッフの件について、今までの学芸員はどういう仕事をするのかとの考えのもとでは、充分育成されていない。新博物館の機能に合わせた専門の学芸員を新しく入れたり、養成する必要があるのでは。より専門化する必要があるとともに、コーディネーターの役割を果たすことも求められる。これからの博物館機能には単なる研究だけでなく、研究をコーディネートする新しいスタッフが求められている。展示もスタッフが独自に必要だし、教育普及の学芸員も必要。そういう人がサポートスタッフや子どもとの関係とかのネットワークを作っていく。新しい博物館にはそれぞれの専門領域を持った学芸員が入る必要があるし、学芸員資格を出しているいろんな大学にも今までの学芸員では駄目だと言うメッセージを投げかける必要がある。
  • 各地の博物館で集客が多いのはテーマと特色をはっきり持っているところではないか。総合博物館というとテーマと特色がはっきりしていないイメージがある。美術館と博物館を比べると博物館の方が地味な存在。博物館へ行くのは博物館で学習しよう、研究をしようとする目的がある人でないと、大きな企画展を除いては全県内からは人が来ない。美術館はそれにひきかえ、見たいという思いで人が来る。
  • いつ行っても同じ常設展示という考え方はそろそろ止めたらどうか。それよりもテーマに合わせて展示替えをしていったほうが良い。1回投資して終わり、ではなく、博物館にはお金がかかるという覚悟をする。あらかじめ建物構造も工夫する必要がある。
  • タテ糸とヨコ糸に対応した取組例であるが、これを実現するためにはどれくらいの人員が必要となるのか。もっと現実に即した議論をすべき段階ではないか。
  • テーマは大事。県民の利用がないと駄目。県民の利用があってこそ県外の利用もある。根付いたものが必要。県民参画なくして新博物館の実現はない。地域の県民が、博物館を紹介したくなるような博物館であって欲しい。
  • リピーターの考え方について、毎年のように来館することのみがリピーターでない。小学校1年生のときに来て、その子が5年生のときに来てもリピーターである。同じものを見ても、成長過程によって受け止め方が変わってくると思う。
  • 公文書館の性格、役割等をいかに具体化するかは、博物館をどう作るかに密接に関わる。収蔵の重視の点でいけば、図書館とは違う扱い方を考えていただきたい。文書も専門的に扱う立場の人が必要だし、例えば県内で水害にあった文書の修復など、高いレベルでも活躍できる人材を県で是非持って欲しい。各地域を指導・支援する役割も担っていける。
  • このような議論にあたっては県としてしっかりお金を出してくれることが前提となるだろう。今あるものでさえ、10年後、20年後には非常に重要なものになってくる、例えば県議会の議事録でも全部揃っていない。見たいところが欠けているという現実がある。そういうところをきちんと揃えておく、マイナーだが、そういう役割をやっていただければと思う。
  • 公文書館は本来、公文書館としての独自の機能を持っているので別に整備すべきだろうが、財政的な事情を考えれば、両方の機能が発揮できるような施設作りを考えるべき。
  • 公文書館は博物館と機能的には一緒でいいと思う。行政資料も長い目で見れば博物館の資料になる。同じシステム、方法で整理しておけば、将来的に分離した場合も、共同で作業できる。現状ではそれがベストではないか。人の交流のためにも同一に建てればいいのでは。
  • 真珠博物館の例だが、大正末から昭和初の写真の整理をやっているが、アルバムからはがした状態や裏に何も書いていないものもあり何の写真か特定できないものが多い。文字情報が写真情報を特定するために必要になってくる。真珠博物館では会社として継続してスクラップブックを持っており、その記事により写真を特定できたことがある。博物館の資料と文字情報がリンクしていると双方にとってメリットになる。
  • 福井県は最近県立図書館ができて、そこに公文書館が併設されている。併設の例は他府県にもあるが所管が違うということで、同じエリアにあっても開館時間が異なっていたりしている。扱いが縦割り行政にならないよう考えておくべき。
  • 国立民族学博物館ではモノ資料だけでなく、映像、音響関係資料や、文献図書資料、本だけでなく週刊誌、新聞やいわゆるアーカイブズ(公文書・記録文書)と呼ばれるものも含めて民族学の研究のためにということで収集している。「公文書館」の名前をあえて出すことが戦略的にいいのかもしれないが、博物館資料の一環として処理してしまってもよい。博物館で展示のためにも図書関係の資料を集めることが必要で、博物館で図書館の資料を扱えるのであれば、行政文書も扱えることになる。機能がそれぞれ違うからといって公文書館の館長と博物館の館長があって別々の世界にならないようなしかけは考えて欲しい。学校教育とも管轄が別セクションになるからといって、縦割り行政にならないようにして欲しい。
  • すでにあるものと新しいものを一緒にするのは、例えば銀行の合併を見ても難しい。今回の博物館も公文書館もこれからやろうとしているものであり、新たな変革のチャンスである。博物館と公文書館を合わせてやろう、三重県では縦割り行政はやめよう、というスタンスで進めていってはどうか。新しい考え方を導入できるチャンスなので、前向きに検討して欲しい。
  • 恐らく子どもは学校教育の中で博物館に来る機会があるし、比較的、時間に余裕ができた人たちが博物館に行ってみようかと来ることもある。それ以外の中間層の年代の人たちにどういう魅力を見せていくかを議論する必要がある。学校から連れて行ってもらうのではなく、親が一緒に連れて行こうよという発想でないと、博物館を訪ねる文化は出てこない。

(3)「今後検討すべき事項」の整理・検討について

  • 大学には学芸員養成過程があるが、博物館も大学の教育課程の中で実習以外にも、もう少しうまくリンクできないか。例えば博物館で単位が得られるような取組があってもよいのではないか。コンソーシアム(共同企業体)的なものができないか。県内の大学との連携にもなる。
  • 博物館に大学院を設置するという考え方は一番簡単にできて実効力のある方法なのではないか。滋賀県の琵琶湖博物館や兵庫県の人と自然の博物館などはたくさんの学芸員がいて、そのような職員が10人もいれば、かなり容易にできると思う。アカデミックな世界の中でそういう体制ができることによってつながりも広がっていく。
  • 国立民族学博物館は学位授与ができるようだが県でもできないか。
  • 国立民族学博物館は、総合研究大学院の教員を併任するという形で実現できていることなのでそのままできることではない。博物館の学芸員が忙しすぎる現状がある。学芸員実習の受け入れも負担になっている。大学側も博物館をどう取り込むかという考え方が必要ではないか。大学から働きかけてコラボレーションを行うことによって、博物館活用も広がると思われる。
  • 学校の先生も博物館に行ったことがない人が多い。それをどう教育していくかも大切。
  • 博物館に大学院ができるというのは面白い考え方だと思う。新しい専門職大学院という理想を掲げながら進められたら良い。県に音頭をとってもらって県内の大学の関係者がどんな可能性があるのか議論する場を作っていって欲しい。
  • 新しい学芸員養成を始めている大学も出てきている。そういうところも調査して、今どんなものが求められているか、県から発信できれば良い。
  • 多様なサポートスタッフを博物館の周りに作っていくことも必要。県民学芸員という、ある種の研究的なサポートスタッフの話が出ているが、学校教育でも、博物館というのはいろんな教科の教員が関れる多様な性格をもっているので、そういうグループをとらまえて、博物館に協力するティーチングサポートスタッフのようなものを周りに配置することも展望できれば良いのでは。
  • 立地について、具体的な候補地を検討するのか。抽象論だけで議論するのか。それだけではなかなか議論が進まない。求められる博物館の性格がだいぶ出てきたので、性格付けからの立地についての話は議論できるようになってきたと思うが。
  • 津市の千歳山について、議会の先生方が現地を視察され、議長がここを適地とおっしゃったとのことを新聞で見た。総合文化センターがある地域に、かつて博物館用地として確保しようと土地開発公社に先行取得してもらっている土地があり、他の施設との連携もあり来館者の利便性も考えると、従来から候補地としていた津市、とくに上津部田のあたりを第一の候補地として認めざるを得ないのか。(土地取得等の)諸手続きも比較的簡易にでき、最適に近い条件をそなえている場所ではないか。聞くところによると平成21年から三重県では「こころのふるさと三重」づくりのイベントを進める計画があり、22年ごろには新県立博物館について何らかの形がみえていることが期待されていると感じる。それには少なくとも3~4年のあたりで第一期工事が始まっていなければならず、今から土地を探してアクセス整備したり、排水整備をしたりするのは大変だろう。審議会として批判を受けるかもしれないが、そこまで絞り込んでもいいのではないか。
  • 県民の立場から考えると、どこにあったらいいのか?例えば図書館で調べ物をしていると、「県立博物館に実物がある」と言われることがある。同じ敷地内にあれば便利。イベントするときも場所が足りなければ連携して総合文化センターの場所を活用できる。
  • 教育委員会から知事部局に移管するので、子どもとか、学校教育との連携のことは避けて通れない。次回以降議論する。

《配布資料》

《検討資料》

《参考資料》 

  • 参考資料1 三重の文化振興方針(仮称)意見交換会 意見概要 鈴鹿会場 松阪会場
  • 参考資料2 三重県博物館協会との意見交換会 意見概要
  • 参考資料3 「新県立博物館整備にかかる基本的な考え方」(三重県議会)
  • 参考資料4 県外博物館の取組等事例パワーポイント資料

本ページに関する問い合わせ先

三重県 環境生活部 文化振興課 文化企画班 〒514-8570 
津市広明町13番地
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