現在位置:
  1. トップページ >
  2. スポーツ・教育・文化 >
  3. 文化 >
  4. 文化総合 >
  5. 文化審議会 >
  6.  第1回新博物館のあり方部会結果概要
担当所属:
  1.  県庁の組織一覧  >
  2. 環境生活部  >
  3. 文化振興課  >
  4.  文化企画班 
  • facebook
  • facebook share
  • twitter
  • google plus
  • line
平成21年04月16日

三重の文化

平成19年度第1回新博物館のあり方部会結果概要

日時 平成19年9月4日(月曜)13時30分から16時30分
会場 三重県立博物館 3階 会議室

1 要旨

平成19年9月4日午後、三重県立博物館3階会議室において、第1回新博物館のあり方部会を開催し、館内展示室・収蔵庫視察の後、新しい文化振興策にふさわしい博物館のあり方について、審議を行いました。

視察のようすその1 視察のようすその2
視察のようす

2 審議内容

文化振興拠点部会の検討内容に基づき、いまなぜ新博物館か、新博物館に求められる基本的な性格の検討についての意見交換を行いました。

審議のようす
審議のようす

3 委員から出された主な質問・意見・感想

  • 拠点には、博物館だけではなく、いろいろな拠点にとって指導的役割をはたす人材育成の機能、また人材育成を通じて、市町や関係施設との関係をリードしていく、ネットワークを構築していく機能がある。
  • これからの博物館には、歴史遺産をきちんと保存できる収蔵機能とアクティブな文化拠点としての両方の機能が求められている。収蔵は非常に大切であるが、そのような地道な活動だけがしっかりとしていれば、県民にとって本当によいかというとそうではないであろう。県民が、新しい発見をしたり、つながったり、具体的な行動ができるようなアクティブな機能も求められている。現実的にはアクティブな機能が求められていて、土台としては収蔵が求められている。それをうまく結びつけられることが求められているのではないか。
  • 新博物館が必要だということは、今日博物館の現状を見た全員、思いは一緒だと思う。
  • 今きちんと収蔵しないと、今あるものも失われてしまうと心配される。三重県の博物館が、ここにある博物館で今まで継続してきたこと自体を本来は恥じなければいけないのではないか。博物館にとって収蔵がまず大事なことである。
  • 県民が実際に収蔵品を見ることができる、子どもたちが未来に夢が描けるような博物館が必要だと思う。
  • 新博物館に対して、いくらでも夢が描けるが、実際にはどれくらいの予算がかけられるのか。
  • 今の博物館を見たら、博物館を今つくらなければいけないことは誰でも理解できる。問題は、これまでなぜできなかったかということである。県の起債で対応することもやり方によっては可能であろう。また民間の力を導入するなど知恵を出すことによって、長期的に効率的な運用ができる博物館をつくることもできると思う。
  • 博物館構想に、地域の文化振興や経済の活性化に役立ったり、観光の活性化に貢献できるような考え方を最初から取り込んでおけば、県民の総意が得られる可能性が非常に高いのではないか。
  • 例えば県民債を発行する方法もあるであろう。県民全員の総意で、盛り上げられることができるような博物館構想を考えていくとよいのではないかと思う。そうすれば、21世紀にわたって継続的な運営がやりやすい博物館構想になるのではないか。
  • モノはそのままでは何もいわない。そこからどれだけ情報を引き出すかが博物館の一番大事な機能ではないか。放っておくと、モノはゴミになる。博物館では、モノをきちんとならべて、そこから情報を引き出す体系をつくっていくことが大切である。
  • 子どもの頃に博物館に行き、モノの面白さを知ることによって、世代を超えて伝わっていくものもあるのではないか。
  • これから目指すべき新しい博物館は、きちんとした収蔵に裏打ちされたモノを、ビビッドな提示の仕方で問いかけ、受け止められるものであるべきだ。
  • 博物館に必要なのは地域の文化を次の世代に継承することである。
  • 現在の県立博物館の収蔵環境では資料が泣いているのではないかと思う。次の世代に文化を伝えていくのが我々の務めである。
  • 文化にはお金がかかる。それだけの覚悟が必要である。
  • 人文系か自然系かという話しあるが、たとえ自然系にしたとしても、自然の背景、文化の背景、環境なども一緒に総合的に取り扱う必要がある。固定的な通史を紹介するだけでなく、展示替えが容易にできる総合的な展示にする必要があろう。
  • モノを扱う場合、入れっぱなしではダメである。モノは生きている。魂の入ったハコモノ、中身の詰まったハコモノをつくる必要がある。
  • 一万人アンケートでは文化や芸術に対する県民ニーズが低いとの結果が出ているが、生活に直結したものと文化的なものは本来同じレベルでは語れるものではない。博物館には博物館としての役割がある。博物館にすべて文化振興を特化して議論すべきではない。さまざまな文化振興拠点の中で、博物館の位置付けを考えるべきである。
  • 現状からみれば、県立博物館はかなり力を入れてきちんとすべき。モノが持っている情報を調べて引き出していくことが大事であり、単に置いてあるだけではダメである。
  • 博物館が独自に研究できる部分をきちんと持っておくことも必要である。
  • 公文書館については、併設かどうかの議論はあろうが、この機会に十分に整えていくべきであろう。
  • 県の財政は依然厳しい状況であるが、現在の県立博物館のままではいけない。倉庫管理をしっかりやっている企業があるという議論もあるが、新博物館はぜひ建てるべきである。
  • 新博物館を整備する場合、ハードだけではダメであり、それを動かしていく学芸員を減らさず、増やし、レベルを上げることが大事である。
  • 効率的な収蔵を行うことが大事である。三重県の長い立地を考えた場合、収蔵品をうまく活用する方法として、学校の空き教室の活用などによるサテライト展示などを考えるべきである。
  • 博物館が必要かどうかは、政治的決断しかない。大衆的議論では、必要性と満足度の議論の中で埋没し、文化施設は破滅する。為政者の政治的決断の責任は重く、後世に責任をとることになる。三重県のアイデンティティを明確にするには、戦略的拠点施設は絶対に必要であり、将来的にどんな県にするのかという明確な意思とビジョンが示されなければならない。アイデンティティを輝かせるためには、リソース、材料をストックし、それを提示し紹介し、学習拠点に出していくフロー化が必要。博物館は、ストックとフローの二つの技術を備えなければならない。またビジョンとリソースがあっても、外部評価がなければアイデンティティは輝かない。県民がどんなに喜んでいても、県以外の人たちにそれが評価されることが本当のアイデンティティである。三重県ほどの美しい県、しかも個性連邦ともいうべきこの県が総合博物館を持たないというは、戦略的には大欠陥といわざるをえない。このまま放置していたのではだめである。
  • 博物館のあるべき姿について、美術館・博物館は、インスティテュート(研究所)であり、単なるファシリティ、施設ではない。研究機能・収蔵技術、学芸員や専門の研究者が多くいてこそ輝く施設であり、人的資源・技術的資源と一体化したものであるということを、もっと明確にする必要がある。ここの記述が今までないということを記録に止めてもらえれば、もっと防波堤になるのではないか。インスティテュートであるということの意味をもっと明確にしてほしい。
  • 博物館は、地域のアイデンティティ、特性、個性と密着した施設であり、それを確認し理解し、そこから逃げない、流出しない人材によって支えられなければならない。博物館の場合は、移動する学芸員、渡り学芸員のような人たちでは困る。
  • 県立博物館は県の広域中枢施設であり、歴史系か自然系かなどの議論は先のことでよい。今は広域中枢施設として最低限の総合博物館を目指すべき。市町村の博物館等とのネットワークも、こちらに高度な機能や研究実績、技術がなければならない。頼られる博物館、手を結びたいと思われるような博物館を目指すべきである。
  • 新しい博物館には、自己革新の機能を入れるべきである。自己評価システムを内部で開発するとともに、外部の評価も導入すべき。
  • 収蔵庫はどんどん膨れていく。増殖できる博物館、成長する博物館というコンセプトを先に打ち出すべきである。
  • 公文書館を併設するならば、総合文化センターゾーンに置くべき。例えば図書館との連携、生涯学習との連携、県史編さんとの連携などと一体化して考えた方が効果的であり効率的ではないか。
  • 財源に関して、みんなでお金を出してもらうという発想は楽しい博物館づくりになるのではないかと思う。本当の県民参画になるのではないか。
  • 県議会の政策討論会議でも、新博物館の検討が行われているが、議会側の検討とすれ違いにならないよう検討計画の整合性をはかってもらいたい。
  • 美術館は作品を鑑賞してもらうところであるが、博物館で派手な企画展示をしようとすると、数千万円規模のお金がかかってしまう。県の目指す博物館はそのようなものではないであろう。
  • 県立博物館は収蔵機能を持たない博物館としてスタートした。以来、さまざまなモノの寄贈を受けてきた。現在の県立博物館の施設では、博物館としての十分な役割を果たせない。新しい博物館を建ててほしいというのが県立博物館の長年の念願である。
  • 総合博物館かどうかについていうと、実際の生活の中では自然も人文も一体になっているのであるから、総合的にものを見て、次に伝えていくことが大切である。
  • 県内の4つの地域の特徴をカバーするのは県立博物館の役割だと思う。そのためには人材が必要である。
  • 地元に根ざし地元の資料を活かした総合博物館というのが本日の共通理解であると思う。
  • それを観光資源などにまで高めるためには、学芸員を含めたソフトが必要だという議論だったのではないか。何をやるのか、何をやらなければならないのか、今後議論を深めていきたい。

《配布資料》

《検討資料》

《参考資料》

  • 資料1 県立博物館・公文書館 これまでの整備計画関係資料
  • 資料2 博物館関連資料
  • 資料3 アンケート調査の結果資料
  • 資料4 三重の歴史がよみがえる!-県史編さん室保管資料のご案内-
  • 資料5 県議会政策討論会議 資料

本ページに関する問い合わせ先

三重県 環境生活部 文化振興課 文化企画班 〒514-8570 
津市広明町13番地
電話番号:059-224-2176 
ファクス番号:059-224-2408 
メールアドレス:bunka@pref.mie.lg.jp

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

ページID:000053494