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観菩提寺(阿山郡島ヶ原村)※


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 観菩提寺は、東大寺の「お水取り」の創始者と言われる実忠の開基と伝えられる古刹で、修正会と呼ばれる行法を行うことから「正月堂」とも呼ばれる。写真の楼門と本堂は室町時代前期の建築と考えられ、明治40年(1907)5月27日に古社寺保存法による特別保護建造物に指定されたが、本尊の木造十一面観音立像も既に37年829日に同法の国宝に編入されていて(『三重県国宝調査書』)、『三重県写真帖』もそのことを説明している。現在は本堂・本尊いずれも文化財保護法による重要文化財であり、県内ではそうした事例がほかに見られないらしく、当時も共に指定であることを強調したのかもしれない。また、本堂や楼門は何回か修理され、本堂には向拝所が付けられ、最近では平成10年(1998)に屋根の葺き替え工事が行われているが、今も変わらぬ伽藍の景観を見ることができ、現存する建造物としては伊賀地方はもとより県内でも古い部類に属するようである。

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