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上野公園(阿山郡上野町)


写真


 高い石垣で有名な上野城跡を公園とした。上野城は天正13年(1585)に伊賀を領した筒井定次が築城し、慶長13年(1608)伊賀に入封した藤堂高虎が同16年から大修築を行ったという(『三重の近世城郭』)。写真は、その高虎が拡張した本丸の高石垣で、『三重県案内』では「一眸の下に伊賀の全土を望むべし」と紹介している。明治初期、上野城跡を公園としようとする動きは早くから見られた。明治6年(1873)9月、三重県参事の岩村定高は、上野城跡は公園に適しており、大蔵省の許可をとるため公園開設の「目論見・積書」を取調べ届け出るよう地元の正副戸長へ指示した。しかし、地元では「公園ノ必要ヲ感スルモノ少ク、躊躇」していたようで、ようやく19年1月になって地元から図面等を添付し正式な公園開設願いが提出され、4月に認められた(『公園書類』)。なお、昭和42年(1967)には文化財保護法による史跡となり、以後城跡の保存修理事業なども実施されてきた。

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