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関地蔵(鈴鹿郡関町新所)※


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 関とは古代に「鈴鹿関」が置かれたことに由来するが、東海道から大和街道・伊勢別街道が分岐する宿場町としてにぎわった。関宿の一角にある地蔵院(九関山宝蔵寺)は、「中世再造の時、一休和尚開眼せり」と伝わる地蔵菩薩を本尊とし、古くから「関の地蔵」として親しまれ、街道沿いにあって多くの人たちが参拝に訪れた。そのため、関宿が「関地蔵宿」と言われることもあった。また、『三重県案内』では「関の地蔵さんに振袖着せて、奈良の大仏さんを婿にとる」という俗謡が伝わると紹介している。なお、当初地蔵菩薩が安置されていた地蔵堂は、元禄13年(1700)新しい本堂に地蔵菩薩が移されたあと愛染明王が祀られたので愛染堂とも言われるが、建築様式に鎌倉室町期の遺風があり、大正9年(1920)特別保護建造物、昭和25年(1950)重要文化財となった(『関町史』上巻)。さらに、同59年には関宿の町並みが伝統的建造物群保存地区として選定された。

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