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四日市祭(四日市市)


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 諏訪神社祭礼の四日市祭は、江戸時代から続く大規模な祭礼として知られていたが、第二次大戦の戦災によって多くを失い、現在では毎年8月に実施される大四日市祭にその一部がしのぶことができると言われている(『三重県の文化財』)。明治40年(1907)頃の四日市祭は毎年9月25・26・27日の3日間に行われていたようで、初日は「町練」と称し隣町などを練り、中日は範囲を広め練り回り、末日は各町いずれも諏訪神社に練りつつ参拝して祭典の式を終わった。写真は、比丘尼町(現元町)の大名行列で、「殊に比丘尼町久六町の大名行列は懐古の資料たるへく」と『三重県案内』に紹介している。また、現在県指定民俗文化財の南納屋町の「鯨船山車」についても「納屋町組の鯨舟の如きは装飾華麗、動作快活、真に捕鯨の実況を見るに異ならす」とある。さらに、各町の練物も互いに壮麗を競い、商店は店を休み珍らしい品物などを展示し、「全市人を以て埋めらるの観あり」と当時の四日市祭の様子を伝えている。

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